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村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月02日更新

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事業承継と名義株主による株式の時効取得

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【コラム】 名義株主による株式の時効取得(東京地決平成21・3・30判時2048号45頁)

(ⅰ)事案の概要

 本件株式は,被告を名義人とする名義株であり,真の元所有者はAとされます。原告ら及び被告は,いずれも亡Aの相続人であるところ,原告らが,被告に対し,それぞれ相続分に応じた持分を有していたことの確認を求めました。

(ⅱ)判旨

 本件株式のうち,被告が時効取得した株式を除いたその余の株式について,原告らがそれぞれ持分を有していたものと認め,この株式について,原告らの相続分に応じた持分の確認請求を認容しました。

 被告に本件株式の長期取得時効が認められたのは,以下の理由によります。

 民法163条の「所有権以外の財産権」に株式ないし株主権が含まれるか否かが問題となりますが,上記文言にかんがみると,不継続又は不表現の地役権の取得時効を否定する民法283条のような特別の除外規定のない限り,広く財産権であれば同法163条の適用を認めるべきである。したがって,株式ないし株主権も「所有権以外の財産権」に含まれるものと解される。

また,被告が本件株式の名義を取得した際には,株券の被裏書人欄に被告の氏名が記載され,株主名簿にも被告の氏名が株主として記載されたこと,被告は増資の際に,被告名義で株式を引き受けていること,被告は名義取得後,株主総会に出席して議決権を行使し,継続的に利益配当を受領していることが認定され,権利者として社会通念上承認し得る外形的客観的な状態を備えていたものと評価できる。

(ⅲ)評価

 株主総会で株主として議決権行使をしていても実質的な株主の意向を受けて議決権を行使しただけかもしれず,その点では判旨には,若干疑問があります。

 しかし,自己の出捐において増資を引き受けたり,配当金を自己のものとして受領していれば,自己所有の意思をもっていたと認定されてもやむを得ないと考えられます。

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