1月の製菓基礎講座のお知らせ ガレット・デ・ロワ - 料理教室 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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閲覧数順 2024年04月30日更新

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1月の製菓基礎講座のお知らせ ガレット・デ・ロワ

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ガレット・デ・ロワ  galette des rois

1月6日はご公現の祝日epiphanieです。ご公現とは、キリスト様がこの世にお生まれになったことを記念するお祝いで、王様とはこの場合、幼子イエスを来訪した東方の三博士を指します。

1月6日には、ガレット・デ・ロワGalette des roisを食べます。フィユタージュにアーモンドクリームを挟んで円形に焼いたお菓子です。ガレットはフランス語で平らで丸いお菓子の総称であり、ロワとは王様という意味です。つまり王様のお菓子。

ガレットの中にはフェーヴfèveと呼ばれる陶器製の小さいおもちゃが入れられています。フェーヴとは空豆のこと。今はさまざまなモチーフが象られますが、そもそもは空豆を入れていたことから今もそう呼ばれます。現代ではコレクションアイテムになっていて、パリの有名店のものには自店の刻印が押されていますし、時期になると道具屋さんだけでなく、お菓子屋さんの店頭でもフェーヴのみが結構な値段で売られます。
家族とお友達と、1月いっぱいは飽きずにガレットを食べ続けますが、切り分けたピースにフェーヴが入っていた人が、その日の王様、女王様。お菓子屋さんがおまけに付けてくれた紙製の王冠をかぶり、同席者に命令をするという遊びをします。

フィユタージュの中にはクレーム・ダマンドかフランジパンヌ(クレーム・ダマンドにカスタードクリームを混ぜ合わせたもの)を詰めます。このお菓子は老若男女、貧富の差を問わず、皆が平等にそのおいしさを享受するために薄く焼かないといけないのだとか。フランスのお菓子屋さん、パン屋さんにどんと積み上げられたガレットは結構バンバンと大らかに膨らんでいたものですから、私はてっきり「そういうもの」とばかり思っていました。だからこの大原則を知ったときにはびっくりしてしまいました。というのは失礼ながらずっと「日本のガレットはなんだか薄くてケチだ」と思っていたのです。でも本当は日本のお菓子屋さんこそが本質を理解し、より厳密に丁寧に作っていたというわけ。ごめんなさい!

教室で作るときは、強引にその日のうちに生地から作って焼いてしまうので、やっぱりぼんぼんと膨らんでしまいます。でもそれぞれの方にフィユタージュを折るところからやってもらう以上、どうにも仕方がありません。授業ではいつも「どうぞ大らかに!」とお話ししています。

折り込みパイ生地にアーモンドたっぷりのクリームをはさんで焼いただけ。ガレット・デ・ロワはこれ以上ないくらいにシンプルな組み合わせですが、味わいは深く、シンプルかつ贅沢なおいしさです。構成がシンプルなだけに、作り手によって驚くほど味わいが違います。当然作り方も。薄力粉と強力粉をどの比率で合わせるか、アーモンドの産地や粒子の大きさ、皮つきか無しか。塩は何で、折り込みを何回行うのかなどなど、突き詰めていくときりがないくらいです。

私が目指しているのは、フランスで食べたようなざっくりな食感のなかにある繊細なハラハラさ、です。今年は日清製粉のエクリチュール(フランス菓子専用粉/フランス産)を使います。

ちょっと大変ですが、ぜひ挑戦してみてください。
製菓基礎講座1月
1月23日(月)13:00より
受講料:7500円
*残席1です。どうぞお早めに。


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