早わかり中国:第4回 特許を受ける事ができる発明とソフトウェア特許(2) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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対象:特許・商標・著作権

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早わかり中国:第4回 特許を受ける事ができる発明とソフトウェア特許(2)

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早わかり中国特許

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第4回 特許を受けることができる発明とソフトウェア特許(第2回)

河野特許事務所 2011年11月16日 執筆者:弁理士 河野 英仁

(月刊ザ・ローヤーズ2011年8月号掲載)

 

4.平面印刷品の模様、色彩又は両者の組合せについて主に標識として用いられるデザイン(専利法第25条第1項(6))

 (6)の規定は第3次法改正時に追加されたものである。瓶のラベルまたは平面包装袋等、主に標識の作用を有する平面模様は商標権及び著作権との間の重複・抵触を増大させることから、保護対象害としたものである。

 外観設計に対しては、実質審査は行われないが、方式審査において(6)の規定に明らかに該当するか否かの審査が行われる(実施細則第44条第1項(3))。

 以下の3条件を全て満たす場合、専利法第25条第1項(6)の規定により特許を受けることができない。

(1)外観設計に係る製品が平面印刷物に属する

(2)当該外観設計が製品の図案、色彩又は両者の組み合わせによって作成されている

(3)当該外観設計が主に表示を機能とする

 第1に図面または写真と「簡単な説明」の記載に基づき、外観設計に係る製品が

平面印刷物に該当するか否かが審査される。

 第2に、対象外観設計が図案、色彩または両者の組み合わせによって作成されているものか否かが審査される。形状の要素を含まない全ての二次元製品に係る外観設計は、図案、色彩又は両者の組み合わせによって作成されていると判断される。

 第3に、対象外観設計が製品にとって、主に表示を機能とするものか否かが審査される。「主に表示を機能とする」とは、対象外観設計の主な用途が、製品または役務の由来等を公衆が識別できるよう機能することをいう。

 なお、シーツ、カーテン、壁紙または織物も2次元の物品ではあるが、「平面印刷物」には該当せず、外観設計特許を受けることができる[1]。

 

5.中国におけるコンピュータ・ソフトウェア関連発明とビジネス関連発明に対する保護

 中国においても、コンピュータ・ソフトウェア関連発明(以下、CS関連発明という)及びビジネス関連発明(以下、BM関連発明という)は一定条件下で保護される。BM関連発明はCS関連発明の一種であるが、中国におけるBM関連発明の審査は非常に厳しく注意を要する。以下では先にCS関連発明とBM関連発明との共通事項を概説した上で、それぞれの詳細を分けて説明する。

 

(1)CS関連発明及びBM関連発明についての審査

 CS関連発明及びBM関連発明に対する、具体的な審査は審査指南第2部分第1章「特許権を付与しない出願」及び審査指南第2部分第9章「コンピュータプログラム関連発明特許出願審査の若干規定」に則って行われる。

(i)知的活動の規則と方法

 審査指南第2部分第1章には特許を受けることができない「知的活動の規則と方法」の例として以下を挙げている。

「組織、生産、商業実施及び経済等に関する管理方法及び制度

コンピュータ言語、計算規則

数学理論及び換算方法

各種ゲーム、娯楽の規則及び方法

情報表現方法

計算機プログラムそのもの」

 このように審査指南においては「計算機プログラムそのもの」を明確に専利法の保護対象から排除すると共に、「商業実施及び経済等に関する管理方法」を挙げ、ピュアなビジネス方法をも専利法による保護対象から排除している。

 ただし、請求項中にアルゴリズム、数学的計算規則またはゲームの規則等の「知的活動の規則と方法」を一部に含む場合であっても、これ以外に請求項中に技術的特徴を有する場合、専利法第25条第1項(2)には該当せず特許を受けることができる。例えば、遊戯装置が遊技方法以外の技術的特徴を含む場合は特許性が肯定される。

(ii)発明のカテゴリーについて

 中国におけるCS及びBM関連発明に対する発明のカテゴリーは「装置」及び「方法」しか認められていない。請求項中に「プログラム」、「プログラム製品」、「パッチ」、「命令」または「コマンド」等のカテゴリーを記載した場合、請求項の内容の如何にかかわらず、専利法第25条第1項(2)に該当するとして拒絶される。


 


[1]国家知識産権局条法司編「専利法第3次修改導読」2009年 p.56-57

 

(第3回へ続く)

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