早わかり中国特許:第1回 中国特許の基本的枠組み(第2回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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対象:特許・商標・著作権

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早わかり中国特許:第1回 中国特許の基本的枠組み(第2回)

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早わかり中国特許 

~中国特許の基礎と中国特許最新情報~

第1回 中国特許の基本的枠組み(第2回)

河野特許事務所 2011年7月12日 執筆者:弁理士 河野 英仁

2.関連する法規

 中国特許の実務上重要な法規として、以上述べた専利法に加えて、中華人民共和国専利法実施細則(以下、実施細則という)、専利審査指南及び司法解釈がある。また、中国において特許訴訟に発展した場合、中華人民共和国民法通則及び中華人民共和国民事訴訟法が重要となる。以下、実施細則、審査指南及び司法解釈について概説する。

 

(1)実施細則

 基本的に日本の特許法施行規則と同様の位置づけであるが、実務上は非常に重要な規定が数多く存在する。各章の内容は以下のとおりである(表3)。第3次法改正により、一部重要な規定は専利法へ移行されたが、明細書の記載要件規定及び職務発明規定等、依然として重要な規定が多数存在し、専利法と併せて正確に理解しておく必要がある。

表3 実施細則の概要

 

(2)審査指南

 審査指南[1]は、国家知識産権局における出願受理及び審査を客観、公正及び適時に行うべく規定されたものである。各部の項目は表4に示すとおりである。

表4 審査指南の内容

 

 審査指南は明細書の記載要件、創造性(日本で言う進歩性)の判断基準、補正の基準、外観設計の類否判断、及び、コンピュータ・ソフトウエア、化学技術等の特定技術分野の記載要件等、権利化実務を行う上では、欠かすことのできない内容が収録されている。

 また、第四部分には、復審委員会[2]が管轄する復審及び無効宣告請求における各種手続についても規定している。審査指南は法改正に併せて改訂が行われており、2009年10月1日の第3次改正専利法の施行に伴い、新たな審査指南が公布され、2010年2月1日より施行されている。

 審査指南は法的拘束力を有するものではないが、審決取消訴訟において人民法院は審査指南の規定を引用することが多い。


[1] 審査指南日本語版はJETROのHPからダウンロードすることができる。

http://jetro-pkip.org/html/ztshow_BID_201006221059.html

[2] 復審委員会は日本国特許庁審判部に対応し、専利法第41条に規定する復審(日本の拒絶査定不服審判に相当)及び専利法第45条に規定する無効宣告請求(日本の無効審判に相当)事件を取り扱う。

(第3回へ続く)

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