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村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月09日更新

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婚外子の相続差別は違憲~大阪高裁で決定

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相続専門税理士はこう思う

皆さん、こんにちは。

 

本コラムの第20回「相続人になれる人、なれない人」の中でも触れたように、既存の民法では、婚姻関係にない男女間の子ども(非嫡出子=婚外子)の相続分を、結婚している夫婦間の子(嫡出子)の半分としていましたが、その規定に、つい先日、国内初の「違憲」判決が出た模様です。

 

もう新聞等でご存知の方も多いかとは思いますが、大阪高裁が「法の下の平等」などを定めた憲法に違反するとして、婚外子に同等の相続を認める決定が出し、嫡出子ら相手側も特別抗告を断念したことにより、その決定が「確定」されました。

 

婚外子の相続差別規定においては、最高裁が95年に合憲判断(婚外子の相続分区別は違法ではないという判断)を示しましたが、その翌年の96年には法相の諮問機関である「法制審議会」で、選択的夫婦別姓などとともに、「婚外子の相続差別規定をなくす民法改正案要綱」を答申しています。

婚外子への相続差別を法で規定している国はごく少数しかないようで、国連の人権規約委員会や女性差別撤廃委員会も、再三日本政府に対して差別撤廃を勧告してきた経緯もあるようです。

 

今回の高裁の決定においても、「婚外子として生れることは、子どもの責任ではない」という前提に立ち、「法が非嫡出子を嫡出子より劣位に置くことを認めるもので、いわれない差別を助長する結果になりかねない」と指摘。

法制審答申や国連人権機関の勧告にも言及し、「婚姻、家族生活、親子関係における実態の変化や国民意識の多様化、諸外国での区別撤廃の進捗(しんちょく)など、国内的、国際的な環境の変化が著しく、相続平等化を促す事情が多く生じている」としています。

つまり、「法律婚を尊重する」といった立法当時の価値観も、婚姻や跡継ぎ問題等において「個人」よりも「家」を重んじてきた日本の伝統的な価値観も、時代の流れとともに徐々に変化してきた結果ということでしょう。

 

95年に最高裁が合憲判断をした際にも、15人の裁判官のうち、3分の1に当たる5人の裁判官は違憲を主張していたようですし、昨年9月にも小法廷で合憲判断を示した訴訟でも、「少なくとも現時点(2009年時点)では、違憲の疑いが極めて強い」との補足意見が付き、今回の高裁決定も「2008年末時点で区別を放置することは、立法の裁量の限界を超えている」というものです。

 

民主党はかつて、政策集において婚外子の差別撤廃を訴えたこともあるようですが、政権獲得後は連立政権に遠慮してか、今のところ、表立った民法改正問題の動きはありません。

しかし、大法廷での違憲判断を待つまでもなく、今回の判例を受け、同様の訴えが増えていけば、民法改正へと国会が動くのも時間の問題かも知れません。

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