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対象:心と体の不調

茅野 分
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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現代の食にひそむ危険性・少しでも健康的に食べるには!?(10)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・油と並んで「炭水化物」の摂り方にも気をつけなければなりません。人間は農業の開始から米や麦など「穀物」の栽培に最も重点を置き、これらを重要な糖質源、つまり「主食」と位置付けてきました。その大半の時代を全粒穀物、すなわち未精製の状態で摂取してきましたが、この100~200年ほどの間に精製技術が普及し、精白した米や麦、またはそのパウダーを利用するようになりました。精白した穀物は甘みときれいな白色が魅力的ですが、健康の上で無視できない影響が現れています。

 

例えば日本の江戸時代後半から昭和の戦前にかけて流行した「脚気」という病気は、白米を食べる習慣の開始とともに出現しましたが、これはビタミンB1の不足による神経障害が主因です。白米をよく見ると端の一部が欠けていますが、ここはもともと胚芽があった場所です。胚芽にはビタミンB群、ビタミンE、カリウム、カルシウム、鉄分、各種アミノ酸など大切な栄養素がぎっしり詰まっています。これは胚乳(白米部分)の糖質を代謝して芽を発育させるのに必要不可欠な栄養素です。

 

精米という作業は、この胚芽と糠を機械的に排除してしまう作業に他なりません。確かに「銀シャリ」などといって美しい白米は見るもきれいですが、栄養的にはビタミンやミネラルなどの微量栄養素が極めて不足しているため、要注意の食材となりました。一般的な「小麦粉」という食材も、小麦の胚芽とフスマ(米の糠に相当)を精白によって除去しているために、ビタミンやミネラル等の栄養素が不足しています。このように精白技術によって、肝心の栄養面では明らかに問題点が生じているのです。

 

今でこそ脚気という病気は影をひそめていますが、これは肉など他の食材が豊富になったため、決定的なビタミンB1不足を免れているためです。ところが現代の豊かな食卓に於いても、精製穀物の影響は随所に現れています。一つには血糖値への影響があります。精製された米や小麦粉は消化、吸収のスピードがたいへん速く、血糖値が急上昇しやすいのです。また口当たりが良いために、ついつい食べ過ぎてしまって血糖値の上昇に拍車がかかります。

 

人体にとって血糖値の上昇は血管や神経細胞の障害など深刻な影響をもたらすため、何とか血糖値を下げようとインスリンが膵臓から分泌されます。すると血糖値は速やかに下がりますが、インスリンは短時間にまとまった量が分泌されるため、今度は血糖値が下がり過ぎて低血糖症状に見舞われます。たとえようのない空腹感に襲われたりイライラしたりする症状です。すると空腹感に耐えられず次の食べ物をまた食べてしまい、血糖値の乱高下を繰り返すことになるのです。

 

そのような食習慣を繰り返していると、インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞が疲弊して、インスリンの分泌量が減少してきます。また各所でインスリン自体の効果も薄れてきます。これをインスリン抵抗性といいます。そのために次第に空腹時の血糖値が上昇傾向となり、本格的な糖尿病に発展するのです。また別のグループではインスリンが持続的に分泌されるようになり、遷延性の低血糖に見舞われて、うつ症状など精神疾患さながらの病態を示す人も若年者を中心に増加傾向となっています・・(続く)

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