消費税ってどんな税?(2、仕入で払った消費税は引けるの?) - 消費税 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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消費税ってどんな税?(2、仕入で払った消費税は引けるの?)

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やさしい税金教室 消費税

消費税は、ヨーロッパで発達した付加価値税を導入したものですから、

消費税の納税義務者は、売上時に預かった消費税をそのまま税務署に

払うのではなくて、仕入れた時に払った消費税を差し引いた額を

税務署に支払うことになっています。

 

例えば、メーカーがゼロから商品を造り出して、本体価格100円で

問屋さんに卸し、問屋さんがそれを小売店に本体価格200円で販売し、

小売店は消費者に対し、本体価格300円で売っていたとしましょう。

 

そうすると、消費者は15円の消費税を販売価格に転嫁されて315円で

購入しますから、消費者は15円の消費税を負担することになります。

小売店は、消費者から15円の消費税を預かりましたが、問屋から210円で

仕入れる時に10円の消費税を負担しましたから、小売店が税務署に支払う

消費税は差額の5円。

問屋は、同じように小売店から10円の消費税を預かって、メーカーに5円

負担しますから、国には差額の5円。

メーカーは問屋から預かった5円を国に支払う。

そうすると、消費者が負担した15円を、メーカーが5円、問屋が5円、

小売店が5円それぞれ負担する、というのですね。

 

ただ、日本の取引慣行では、取引の都度、領収書に消費税額がいくら、

と書き込んでいく習慣がありませんでしたし、消費税法ができるまで、

消費税額を領収書等に書かなければいけない義務があるとする法律が

一切ありませんでした。(フランスやドイツは商法で規定しています)

 

そのため、日本では、前の段階でいくらの消費税を負担していたのか、

請求書や領収書だけでは分からない可能性が高いんですね。

そこで、諸外国では常識であるインボイス方式(領収書等で前の段階での

消費税額を確認する課税方式)を導入することができなくて、

帳簿方式や簡易課税制度等を作らざるを得なかったんですね。

 

財務省・国税庁の動きやOBの研究者の皆様の研究をみていますと、

日本にもインボイス方式を導入したい、というのが明らかです。

昨今の税制改革論議においても、所得税・法人税における帳簿保存義務の

強化が真剣に検討されています。会社法432条により帳簿の適時作成義務が

明確になったと考えていますが、税務調査に対する利便性の向上等、

税金をとるための方便として議論されているように思えてなりませんね。

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