リーガルマインドが税法に与える意味 - 顧問税理士・会計士 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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リーガルマインドが税法に与える意味

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雑感 業務その他

昨日は、第6ブロックジョイント研修会で、増田英敏専修大学教授の

「税理士のための紛争予防税法学―税務調査におけるリーガルマインドの

有用性を中心として―」と題した講演を聞いてきました。

 

近年の増田先生が強く主張されている「紛争予防税法学」では、

税理士がリーガルマインドを駆使して、実務における的確な処方箋を

準備することが重要視されています。

 

昨日のレジュメにも引用された「なぜ税理士にリーガルマインドが必要か」

(税務弘報2009年3月号掲載)では、このように主張されています。

 

税務調査で問題となるのは税法の解釈・適用上の問題に限定されるはず

であるから、法の解釈・適用上の問題に商店を絞ることである。

つまり、税法の実務を法的に整理すると、1事実認定に始まり、2該当する

個別税法の条文から抽出された課税要件を、3事実認定により認定された

要件事実にあてはめることになる。

したがって、調査で問題となっている争点が、1の事実認定の問題か、

2の課税要件の抽出をめぐる税法解釈の問題か、もしくは3の要件事実への

課税要件のあてはめの問題かの、いわゆる法的三段論法を構成する三つの

ステージのいずれに属するかを整理する必要がある。

争点をこのように立体的に整理することにより問題解決のための処方箋を

的確に準備することが可能となる。たとえば、事実認定の問題であれば、

契約書や領収書、そしてそれらを反映した会計帳簿といった証拠の証明力が

問題となる。また、課税要件規定の解釈上の見解の対立が争点とされるので

あれば、学説・判例を検証し、そこから通説は何かを明らかにする以外にない。

課税要件規定の要件事実へのあてはめの問題であれば、そのあてはめに

恣意性が混入していないかが検証されなければならない。

 

税理士も法律である税法の専門家ですから、法律家の常識的な思考法を学び、

税務職員がどのような勉強をし、裁判官がどのように考えるのかを

知らなければ、税務判断の根拠を持つことができなくなると思います。

リーガルマインドを持った税理士にならなければ、納税者の権利を守り、

適正な税務行政に協力することもできなくなってしまうと思います。

 

増田先輩(すいません。こう呼ばせて下さい)の想いを受け止めなければ

学会デビューしてから10年来のご指導にお応えし切れないですよね。

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