国産米粉のお菓子作り パート1 - 洋菓子・和菓子 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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対象:料理・クッキング

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国産米粉のお菓子作り パート1

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私がフランス菓子教室のかたわら、国産の米粉でお菓子を作り始めたのは、2003年のことでした。その前年に本の取材で大阪「青い麦」福盛幸一氏をお尋ねしたことがきっかけです。お店には米粉でできたコッペパンやら食パンが並び、そのどれもがびっくりするくらいおいしかったのです。

今ではすっかりおなじみの米粉パン。最近はサンヨーの「ゴパン」の大ヒットで、より一層身近な存在になりつつあります。家庭でも経験がなくてもすぐに米粉パンが焼けるなんて、本当に素晴らしいことです。

国産のお米でパンを作るのは、そもそもは政府の抱える備蓄米をなんとか消費し、自給率を高めるための国策としてのスタートでした。米粉パンはずいぶんと以前から全国各地のパン屋、食品メーカーに より研究開発が進められてきたのですが、製造技術が難しく、また特殊な微細米粉が必須とされ、なかなか満足のいくものにはならなかったようです。また単に米粉でできていることが宣伝文句(つまり味は後回し)だったり、小麦粉との混合のパンも見受けられたり。

ところが福盛さんの開発された方法では、ふっくらしっとりの新しい食感、ほのかなお米の甘みのあるおいしいパンが焼けるのです。さらに全国どこでも手に入る普通の上新粉(お米の粉)を使った方法であり、これにパンの骨格を作るグルテン(小麦由来)を添加して使います。日本各地のお米で各地の子供たちの給食がまかなうことも目標の一つとなり、どんどん研究や普及が進んできました。今はさほど珍しいことでもありませんが、当時の私にはじつに感動的な出来事でした。

さて「国産米を使う」という目的の他に、私がもっとも大きな利点だと思ったのは、製菓用の米粉にはグルテンを添加しなくても、問題なくお菓子ができること。最近、様々な食物アレルギーを持つ子供が多いと聞きます。お菓子の多くには小麦粉が使われているため、小麦にアレルギーがある場合はほとんどのお菓子を口にすることができません。

私自身が過去に化学物質のアレルギーに苦しんだことから、小麦アレルギーを持つ子供にも手作りのお菓子を食べる喜びをあげることができたら、どんなに素晴らしいことだろうと思ったのです。「米粉のお菓子やパンが日本中に知られるようになったら、そんな子供たちの親御さんは、きっと次は粉を買って自分の手でお菓子を作ってあげたいと思うようになるでしょうね」と私がぽつりともらした一言に、福盛さんの「だったら君がやればいい。君が案内役をすればいい」の言葉から、この仕事がスタートしました。

それから試行錯誤を繰り返し、たくさんのお菓子に挑戦してきました。できないお菓子はほぼない、が結論です(写真は米粉の抹茶カステラ)。米粉独特の風味や食感が生まれます。グルテンが必須のパンと折り込みパイ生地は、パン用の米粉(グルテン添加)を使います。ただし私はベーキングパウダーを使わないため、ちょっとした苦労はいくつもありました。しかしお菓子の作り手として、小麦粉にない苦労があるのはある意味おもしろくてやりがいのあることです。おうどんやパスタ、お好み焼きも作れるのです。

では次回は、米粉のお菓子の具体論です。

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