- 廣瀬 ちえ
- CHIE'S KITCHEN 代表
- 愛知県
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
旬の野菜でベジフルビューティー3 大根
古代エジプトでピラミッドの建築時から食べられていたと言われるほど、古い歴史を持つ大根。日本には奈良時代に中国から伝わり、江戸時代から盛んに栽培が行われるようになりました。その後各地に広がり、品種改良を重ねて現在に至ります。
一年中市場に出回る大根ですが、本来の旬は冬。10月下旬から2月頃のものが水分が多く、甘くておいしいです。
●大根の栄養
葉は緑黄色野菜、根は淡色野菜。食物繊維が多いのが特徴です。
<ビタミン類の宝庫>
根より葉部分の方が多くのビタミンCを含み、他にもビタミンA(カロチン)・ビタミンB1・B2・カルシウム・ナトリウム・鉄などの成分を含みます。根部分は、特に皮に中心部の2倍ものビタミンCが含まれています。
<消化促進の見方「アミラーゼ」>
でんぷん分解酵素である「アミラーゼ」は食べ物の消化を促進し、げっぷ・胸焼け・胃もたれ・胃酸過多・二日酔いなどの症状に効果があります。食事に大根おろしを添えて食べると消化を良くするので、胃の弱い人におすすめ。ただし、大根は生で食べると体を冷やすので、胃の冷えやすい人は煮るなど、火を通して食べましょう。
<血液サラサラ・殺菌作用に効果的な「イソチオシアナート」>
大根の辛み成分の「イソチオシアナート」には、血液をサラサラにして血栓を予防する働きがあります。肉料理を食べる時には大根を一緒に食べるのがおすすめです。また、白血球の活性化や、殺菌効果にも優れています。大根から蒸発したイソチオシアナートの殺菌作用が、他の食べ物にまで効果を与えるほどです。人間の体に害を及ぼろしたドレッシングをかけたものを入れると、
●大根の品種
・青首大根
生産量が最も多く、代表的な品種。葉に近い部分が外に出て太陽に当たることで薄緑色になることから「青首」と呼ばれています。辛味が少なく荷崩れしにくいのが特徴です。
・聖護院大根
京都の聖護院で改良された丸型の大根。煮崩れしにくくて火の通りが早く、甘みがあります。
・守口大根
大阪府守口市で栽培される、世界一細長い大根。直径は約2.5cmで、長いものでは2m程に成長します。辛味が強く固いため、主に漬物用として使われます。
・辛味大根
長さ20cm程の小型の大根。おろしても水分が少なくさらさらしているため、薬味として使われることが多いです。
・桜島大根
世界最大の大根と呼ばれ、大きなものでは20kgを超すほど。粕漬けにした「さつま漬」が有名です。
・ラディッシュ
20日程度の短期間で収穫できることから「二十日大根」とも呼ばれる、小さく丸い大根。清々しい味や歯ざわりと、鮮やかな色合いが特徴です。主にサラダ用として使われます。
・かいわれ大根
大根の芽を12~14cmまで伸ばしたもの。「貝割菜」とも呼ばれます。
・まびき菜
根が肥大する前に収穫したもの。葉が柔らかく、漬物や汁物の具に向いています。
●大根豆知識
時々発生する大根の「す」は、空気穴の役目をするもので、養分や水分不足が原因です。良い状態のものでも、時間がたてば、良いでしょう。
●良い大根の選び方
根がずっしりと重く、葉が青々としているものを。ひげ根やくぼみがなく、根に近いところが青いものがおすすめです。
●大根の保存法
泥付きの大根は、新聞紙などに包んで暗い場所に保存を。洗ったものは、ビニール袋・新聞紙・ラップフィルムなどで包んで冷蔵庫で保存します。新聞紙を使う場合は、霧を吹いて湿らせると良いでしょう。
葉つきの大根は、水分が葉から蒸散するため、身の水分を奪って内部に「す」が入る原因になります。葉はつけ根ギリギリのところで切り離し、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。すぐに使いきれない時は、サッと茹でて適当な長さに切り密閉容器で冷蔵するか、細かく刻んでから密閉容器に入れて冷凍保存しておくと、料理の仕上げの青みに利用できるので便利です。
● 調理法
大根は部位によって味が違うので、それぞれの特徴を生かして調理をしましょう。
・葉部分
浅漬け・おひたし・汁物の具、などに。
・葉の近く
辛味が弱く、ビタミンCが多く含まれているので、生食用に最適。塩を振ってさっと揉んだり、出汁しょうゆにつけて即席漬物にしてもおいしいです。なます・サラダ・おろし・刺し身のつま、などに。
・中央部分
最も甘みが強くおいしいところです。太さも揃っていて煮物に最適。大根の旨味を生かした薄味の煮物にすると、美味しさが一層引き立ちます。おでん・ふろふき大根、などに。
・先端部分
辛みが強い部分なので、味の濃い料理に向いています。辛みは煮ると甘みに変化するので、味噌汁の具・炒め物・味の濃い煮物、などに。辛みを生かして薬味として食べるのも美味しいです。
●大根の加工品
<種類豊富な「たくあん漬け」>
大根の加工として最も良く知られる「たくあん漬け」。干した大根をぬかで漬けたものですが、日本各地でいろいろな種類が生産されています。
秋田…いぶりたくあん/東京…べったら漬け/石川…七尾たくあん/岐阜…守口漬け/愛知…渥美たくあん/京都…千枚漬け/京都…聖護院大根のぬか漬け/和歌山…紀ノ川たくあん/鹿児島…つぼ漬け/鹿児島…薩摩漬け
<ミネラルたっぷり「切干大根>
切り干し大根は、大根を天日乾燥させたもので、甘みと風味が特徴。大根の種類では、青首大根や練馬系大根が多く使われます。生の大根に比べてビタミンB1・カルシウム・鉄分を多く含むため、食物繊維やミネラル供給におすすめです。中でも、冬の日光や寒風を浴びて作る「寒干し大根」が良品です。
<食べて、お手当で、大活躍の「干葉」>
大根の葉や茎を陰干しにしたものを「干葉(ひば)」と言います。細かくきざんで湯通しし、炒め物・汁物・干し菜飯などで使います。また、干葉を風呂に入れて入浴すると体が暖まり、冷え性・神経痛・腰痛・肩こりなど効果があります。
●おすすめレシピ「ピリカラあつあつ!麻婆大根」
<材料> 4人分
大根…300g、ごま油…大さじ1、玉ねぎ…1/2個、れんこん…120g、しいたけ…2~3枚、ごま油…大さじ1、生姜・にんにく…各小1、片栗粉…大さじ1、合わせ調味料(豆味噌…大さじ1、豆板醤…小さじ1/2、しょうゆ…1/4カップ、酒・みりん…各大さじ1、玄米甘酒…1/4カップ、水…1/2カップ)
<作り方>
1. フライパンにごま油・みじん切りにしたにんにく・生姜を入れて火を付けます。香りが油に移ったら、みじん切りにし玉ねぎ・れんこん・しいたけを入れて炒めます。
2. 合わせ調味料をの材料を全て混ぜ合わせ、1に入れます。片栗粉を水で溶き、煮立ったところに加えてとろみをつけます。
3. 大根を厚さ2.5cmの輪切りにし、蒸気の上がった蒸し器に入れ、竹串がスっと通るぐらいまで蒸します。
4 フライパンにごま油を入れ、3を両面がこんがりと色づくまで焼きます。お皿に大根を並べ、2のタレをかけて完成です。
しいたけはだしをとった後のものを使っても良いです。
豆板醤の量はお好みで調節してください。
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