米国特許判例紹介:ソフトウェア特許に対する共同侵害(第3回) - 特許 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許判例紹介:ソフトウェア特許に対する共同侵害(第3回)

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米国特許判例紹介:ソフトウェア特許に対する共同侵害 (第3回)
 ~黒幕が管理・指示を与えたか否か~

     Golden Hour Data Systems, Inc.,
          Plaintiff-Appellant,
                v.
        emsCharts, Inc., et al.,
      Defendant-Cross Appellants.

 
河野特許事務所 2010年11月30日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

298特許のクレーム6*6は以下のとおり。
6.(a)被支払人の代理人のシステムを介して、少なくとも一つの遠隔支払いカードネットワークに接続された電話回線網を用いた料金支払い方法であって、発話人は被支払人への自発的な支払い取引を開始すべく、前記電話機回線網を用いてセッションを開始するものであり、以下のステップを含む:
(b)発話人に対し、クレジットまたはデビットのいずれかの支払い番号を入力するよう促進する;
(c)発話人に支払い取引のための支払金額を入力するよう促進する;
(d)前記入力された支払い番号に関する遠隔支払いネットワークにアクセスする;
(e)前記アクセスされた遠隔支払いネットワークはセッションの間に下記決定を行う、
(f)支払い取引を完了するために、十分に利用可能な信用または金額が支払い番号に関する口座に存在するか否か;
(g)十分な信用または金額が存在すると判断した場合、
(h)入力された支払い番号の口座に対し入力された支払金額を課金する;
(i)入力された口座番号に関する口座(被支払人の口座)に入力された支払金額を加算する;and
(j)口座番号、支払い番号及び支払金額をシステムの取引ファイルに記憶する.

 BMC事件における被告は全てのステップを実施しているわけではない。被告、及び、金融機関を含むデビットネットワークにより共同で方法クレームを実施しているのである。例えば、
クレームの一部の構成要件(e)~(h)
(e)前記アクセスされた遠隔支払いネットワークはセッションの間に下記決定を行う、
(f)支払い取引を完了するために、十分に利用可能な信用または金額が支払い番号に関する口座に存在するか否か;
(g)十分な信用または金額が存在すると判断した場合、
(h)入力された支払い番号の口座に対し入力された支払金額を課金する;
はデビットネットワークが実施する行為である。

 BMC事件においては、複数の当事者が共同で方法クレームを実施している場合に、共同侵害が成立するか否かが問題となった。

 侵害が成立するためには、被告が方法クレームの全ての構成要件を実施していることが必要とされるのが原則である。その一方で、当該原則を貫くと、ある構成要件を、意図的に第三者に実施させることにより、直接侵害の責を逃れ得るという法の抜け穴が生じてしまう。

 CAFCは直接侵害に係る当該原則と、これに対する例外との法バランスを考慮した上で、被告及び第三者による共同実施に基づく直接侵害が成立するためには、
被告が第三者に対し方法クレームの各ステップの実施に関し管理または指示
を行っていることが必要とされると判示した。

(2)本事件における戦略的パートナーシップ
 本事件においては、C社及びS社間で「戦略的パートナーシップを契約」していた。このパートナーシップは2つのプログラムを協同させ、一つのユニットとして2つのプログラムを販売することをコラボレートするものである。

 CAFCはこのような関係があることを認めたものの、C社がS社に対し管理または指示を行っていたとはいえないと判断し、共同侵害の成立を否定した。
(第4回へ続く)

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