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もう怖くない!?目から鱗の新型インフル対策マニュアル(10)

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  1. 心と体・医療健康
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  3. 疲れやすさ

(続き)・・我々は風邪やインフルエンザにかかった場合、薬を飲んでも飲まなくてもたいてい自然に治ってしまうものです。よほど弱っていなければ、多くは4~5日程度で治るのではないでしょうか。インフルエンザウイルスにはH1N1やH3N2などといった変種がありますが、一般の風邪では少なく見積もっても100種類以上の原因ウイルスが存在しますし、時折、新型の風邪ウイルスも登場します。我々はこれら全てのウイルスに対する抗体を持っている訳ではないのに、自然と治ってしまうのは一体どういう仕組みによるのでしょうか。
 
その抗体にしても、ウイルスなどの病原体に暴露されてから、出来上がるまでに5~7日程度の時間が必要です。例えば免疫を持っていないインフルエンザに感染してから1週間近くしてようやく抗体の準備が整うのです。ところが風邪やインフルエンザは上述のように、1週間以内に治ってしまうのが普通です。ということは、風邪やインフルエンザのウイルスを排除し治癒を促進するようなシステムが、抗体のほかに存在するはずです。つまり風邪など数日で治るような感染症の治癒に関して、抗体はあまり役に立っていないのです。抗体が役に立つのは、むしろそれらの予防に関してです。
 
我々の周りを見渡してみると、しょっちゅう風邪をひいている可哀そうな人がいる一方で、10年来1回も風邪をひいたことのない丈夫な人もいます。インフルエンザにしても、毎年ワクチンを打っているのに罹ってしまう人がいる一方で、ワクチンを打ったこともないのに一度も罹ったことがない、という人もいます。つまり、風邪やインフルエンザに対する免疫力には、かなりの個人差がみられるのです。昨年の「新型」に於いても、全く同じ環境にいたのに罹った人と罹らなかった人とがいるはずです。このような免疫力をめぐる個人差は、いったいどのような理由で生じるのでしょうか。
 
抗体を産生するのはBリンパ球という細胞で、魚類以上の脊椎動物に存在する高度な免疫システムです。免疫の司令塔であるTリンパ球からの指令を受けて抗体を産生しますが、そのTリンパ球はマクロファージという細胞からの情報をもとに指令を出しています。マクロファージは全身の血液や組織の中を回って細菌やウイルスなどの病原体を発見するとそれらを貪食し、その破片をTリンパ球に提示します。Tリンパ球はその破片の性質を見極めて、それに適合した抗体を作るようにBリンパ球に対して指令を出すのです。マクロファージはその重要な情報を提供する、大切な役割りを果たしています。
 
免疫を司る細胞にはその他にも、病原体や異物を片っ端から貪食する顆粒球や、ガン細胞も含めて異物を破壊するナチュラル・キラー細胞などが知られています。これらの細胞はBリンパ球やTリンパ球に比べるとかなり原始的な細胞で、昆虫や軟体動物などのより原始的な動物にも存在します。つまりこれら原始動物に於いては抗体システムがまだ存在せず、マクロファージや顆粒球、ナチュラル・キラー細胞などの働きで感染症などから身を守っていました。それでは彼らが簡単に病気で死んでいたかというと、決してそんなことはなかったのです。
 
免疫学の分野では、上記のリンパ球を中心とした抗体システムを「獲得免疫」、ナチュラル・キラー細胞などによる原始的な免疫システムを「自然免疫」と呼んでいます。従来は獲得免疫こそが感染症などの治癒や予防の中心的な役割りを果たすとされてきましたが、最近の研究で、自然免疫の重要な役割りが明らかになってきました。つまり自然免疫こそが病気の治癒や予防の主役で、獲得免疫はそれを補強するものである、という考え方です。脊椎動物のような大型かつ複雑な構造の動物となると、従来の自然免疫だけでは全ての病気を抑えきれなくなり、獲得免疫のシステムを生み出したというのが実態です。
 
マクロファージは多くの多細胞生物に存在し、その由来は腸管の細胞とされています。単細胞生物から多細胞生物に進化し、生体が大きく複雑になるにつれて各種の内臓や器官が作られますが、あらゆる器官の中で最も古いものが腸管です。原始動物が食物を摂る時、同時に多くの病原体や異物も入ってきます。腸管の組織内でそれを解毒し処理するためにマクロファージが作られたのです。顆粒球やナチュラル・キラー細胞も相次いで作られました。それでは腸管を持たないより原始的な動物や単細胞動物、さらには植物などは、いったいどうやって病原体などから我が身を守っているのでしょうか・・(続く)

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