ガンもうつ病も恐くない！自然法則に従った食事法とは？（２）

（続き）・・一方で近年、様々なダイエット法が普及しては忘れ去られ、また別のダイエット法が出現する、という奇妙な現象が国内外で続いています。あるダイエット法ではたんぱく質を減らして糖質を摂るように勧めたかと思えば、他のダイエット法では逆に糖質を減らしてたんぱく質を摂るように説いています。またあるダイエット法は脂質を制限し、別のものは脂質を積極的に摂るように言っています。またあるものは指定されたサプリメントを服用してさえいれば、制限カロリー内ならば何を食べてもよい、などと解説しています。

このような状況では、消費者はどれが正しいか分からなくなって混乱してしまいます。あるダイエット法を採用して取り組んだとしても、それが無効に終わってしまったり、あるいは体に異変を来たしてしまった場合には、それに費やした費用が無駄になってしまうだけでなく、健康が得られなかったり逆に健康を損ねてしまう、という悲しい結末が待っているのです。それにしても何故、これほどまでに数多くのダイエット法が存在するのでしょうか。

それは一つには、多くのダイエット法では効果が長続きせず、失敗に終わるケースが多いからです。例えばカロリーを厳密に制限するダイエット法では、「食べたい」という人間の本能的な欲求に逆らってダイエットを進めることになるので、一時は痩せるなどの成果が現れても、いずれは食欲に負けて腹いっぱい食べてしまう時期が訪れるのです。食事制限中は食欲を抑えつけているためストレスに見舞われ、それが限界に達すると堰を切ったように好物を胃に流し込むのです。

カロリーを無理に制限することは軽い飢餓状態を招くため、基礎代謝が低下して「やせにくい」体になってしまいます。少ない食物で代謝を維持するようになり、エネルギーを体に貯め込もうとするのです。従って思うように体重や皮下脂肪が減らない、という現実に悩まされがちです。そのような状況でダイエットを終了すると、基礎代謝は当面低いままなので、ダイエット開始前よりも体重が増えてしまう、といった残念な結果に終わるのです。これがいわゆる「ヨーヨーダイエット」です。

仮に食事制限に成功して痩せたとしても、必要な栄養素が不足している場合には、貧血や肌荒れ、疲れやすさ、低体温、風邪を引きやすくなる、などの健康上の弊害が現れるケースが目立ちます。カロリーを単純に減らしただけでは、ビタミンやミネラル、アミノ酸などの必須の栄養素も同時に減ってしまいがちで、それらの不足によって代謝障害や免疫力の低下などを引き起こして、様々な健康障害に結びつきます。痩せられても健康を害してしまっては、元も子もありません。

かように様々なダイエット法が上手くいかない、失敗しやすい理由というのは、一体どういったところにあるのでしょうか。その最大の理由は「自然の法則」に反しているからではないかと考えられます。人間の消化や栄養吸収、代謝、排泄などの活動に於ける法則を無視し、また人間の基本的な欲求に反したようなダイエット法は、取り組む人にとってストレスになるだけでなく、効果は全くないか一時的で、場合により有害なものになってしまうのです。

つまり人間にとって基本的な仕組みに反するような食べ方をした場合、人体は本能的に危険や不快感を感じ、ダイエットそのものを拒絶するか、効果を打ち消す方向に働いてしまいます。ダイエットが長続きしないのは、不自然なダイエット法から我が身を守る自己防衛ともいえるのです。従って食事法を考えるときには、上手く痩せられるかどうかよりも、体にとって自然で理に適っているかどうかを、まず優先して考えるべきなのです。

それでは人間にとって「自然の法則」とは、どのようなものなのでしょうか。もっと具体的にいうと、人間は何を優先的に食べるべきなのでしょうか。また何を食べるかだけでなく、いつ、どのようにして食べるかも同じくらい重要です。違う見方をすれば、冒頭で述べたような現代人の病気の多さ、不健康さの原因の何割かは、食べる食材やタイミング、調理方法などにいくつか重要な問題点がある、ということを意味します。・・（続く）