- 西垣戸 重成
- EYE-PLUS コンサルティング事業部 部長
- 兵庫県
- 不動産コンサルタント
対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
キャッシュフロー表って何?
「そもそもキャッシュフロー表って何なの?」と思われる方が多いかも知れません。そこで今回は、実例に近いサンプルをご覧いただき、どんな役割を果たしてくれるものなのか確認していただきましょう!
キャッシュフロー表とは、生まれてくる子どもも含めて、家族(購入者や配偶者)が平均寿命まで生存したことを想定し、「お金の流れ」を時系列にまとめたものです。
では、「百分は一見に如かず」といいますから、実際にご覧いただきましょう。
年収の5倍の住宅ローンを利用した場合のシュミレーション
ここでは年収の5倍にあたる住宅を、100%住宅ローンでまかなった場合を想定したキャッシュフロー表をご覧いただきましょう。
設定条件
家族構成 夫婦 + 子ども(2歳)
月々の生活費 約20万円(住宅取得資金は除く)
物件価格 2600万円(年収の5倍)
住宅ローン 2600万円
返済期間 30年
車の買換え 200万円(7年毎)
金利設定
1年目~5年目 1.275%
6年目~10年目 2.275%
1年目~ 3.275%
その他の条件
全ての数値は変動がないものとして試算
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当初は、主人ひとりで頑張る予定でしたが・・・
このままでは購入から約10年後には“家計破綻”してしまいそう!ちなみに、購入当初の年収に対する住宅ローンの返済比率はちょうど20%、安全ラインのはずがそうではなかったということです。
そこで考えられた対策は、奥さんがパートに就いて頑張っていただくこと。
キャッシュフロー表で確認したところ、妻の早めの就業が条件に・・・
対策もより、購入から約10年後のマイナスが奇麗になくなりました。これなら、子どもの大学進学費用にも備えられそうです。一方、もし3歳年の差がある子どもがもう一人いた場合は、どんなキャッシュフロー表になるものかご覧いただきましょう。
ところが、子ども2人となると計算ミス?奨学金も視野に入れて子どもと相談・・・
ご覧のとおり、子どもが大学に進学したころから収支が急速に悪化し、2人目の子どもが大学へ進学する頃には“家計破綻”となりそうです。ちなみに、この次点の年収に対する住宅ローンの返済率も約20%です。やはり、返済負担率はあまりあてにはできません。
購入時点で、将来のキャッシュフローが一旦確定する!
上記のことから考えるべきことは、収入をフィックスして考えた場合、購入時点で将来のお金の流れが一旦確定することになります。現実的には、様々な変動があり確定しているわけではありませんが、少なくとも予想の材料にはなるものです。
今回、このキャッシュフロー表をご紹介した理由は、住宅の購入をあきらめていただくためや、不安を助長することが目的ではありません。その逆、「足元を確認し、リスクを見極めてから購入いただくと安心感が生まれ、その後の人生も楽しんでいただけるのではないか」という思いからです。どう感じられましたか?
皆様の「楽しい住まいづくり」のご参考となれば幸いです。
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