建築基準法では、木造住宅は大工さんの技量に負うところが多く、耐震性に関しても、詳細の取り決めは整備されていないのが現状です。
住宅性能表示制度では、その欠点に大きく踏み込んで木造住宅の構造をより具体的に検証する事が義務付けされています。床面の剛性に対しても、施工の方法により倍率が設定されており、水平剛性の検討を行わなければなりません。
また、住宅性能表示制度では、耐力壁で囲まれた空間の大きさも、問題視されます。10m四方で耐力壁に囲まれた空間と、3m四方で耐力壁に囲まれた空間では、同じ強度の水平構面であれば、3m四方の狭い空間の方がより頑丈なのはお判り頂けると思います。
そこで、床面の剛性別に、耐力壁相互の距離を定めています。(耐力壁線間距離)階段や吹抜け、平面形状によって距離は左右されますので、表にはできませんが計算によって、それらの検討をする事が義務付けされています。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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