お付き合いしている会社で、新卒者の内定式に出席させて頂きました。
式の中で内定者の方々がそれぞれ自己紹介をするのですが、本当に式の直近で内定した方がお話している中で、「周りのいろいろな人に支えてもらって頑張ってきて、ようやくご縁があって内定を頂いたが今でもまだ決まったことが実感できない。でも早く恩返しが出来るように頑張りたい。」というお話を、周りの人への感謝の言葉とともに涙ながらに語っていました。
私も採用活動に関わってきた経験は長いのですが、内定者がそれほど感謝の気持ちや苦労を語られるような場面に遭遇したことは一度もなく、その様な事を語れる内定者の方、そう思ってもらえる振る舞いをしてきた会社、大変な中を支えてきたご両親や友人を始めとした周囲の方々のことを考えながら、今年の就職活動は本当に厳しかったのだと実感しました。
このような経験はこれから将来に絶対活かせると思うのですが、一方でこれから希望を持って社会に出て働こうとする人材が、そのスタートラインに着くためだけにこれほどの苦労をする必要があるのかということも感じました。
成功するためのチャンスの頻度や成功確率の度合いについては、その人の努力や能力によって差が出てしまうのはやむを得ないことだと思います。しかし、そのチャンスすらもらえない人がたくさん出てしまう世の中というのはどうなんだろうかと感じ、改めて一刻も早い景気回復を期待する次第です。
また、たった一人であっても採用できる余力のある企業は、是非若い人材にチャンスを与えて頂ければ、などと思っています。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
03-4590-2921
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
誰でも陥る「人物評価の思い込み」(2024/04/03 23:04)
「目指したい上司」がいる幸運といないことの当たり前(2024/03/06 14:03)
注意が必要と思う「生産性が低い」という指摘(2024/02/21 18:02)
「失敗」「挫折」の体験は成長に必須か?(2023/10/26 09:10)
問題は「閉鎖的な組織環境」でエスカレートする(2023/10/11 22:10)