- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:会計・経理
10日8時34分KYODONEWSによると、民主党は、国家戦略局で
従来の単年度予算から複数年度予算を組むことを検討するというのだ。
予算執行において余剰金が出た場合、翌年度予算ないし翌々年度予算で
その分を削られることを恐れて、与えられた予算を使い切ろうとすることは
民間企業でも往々に見られますが、役所はムリにでも予算を使いきろう
とするあまり、ムダな公共事業が行われてしまう傾向が強いようだ。
しかし、単年度予算のために、継続性が重視されるべき長期プロジェクトの
予算が急に削られてしまうこともありがちだったようだ。
その結果、完成しなければ意味がなくなってしまうような事業がムダと
見られるケースもあるようですし、発注を見越して準備をしていた民間企業
とのトラブルになるケースも見受けられる。
複数年度予算が実現すれば、長期プロジェクト予算の執行が可能になり、
上記のようなケースはかなり減ることが当然に予想されよう。
ムダの削減により財源を確保するとする民主党としては、生命線を確保する
ためにも、単年度予算の欠点を補う複数年度予算は必要であろう。
このニュースに関連して、8日1時33分asahi.com記事によると、
杉並区が、2011年度に区債の償還が終わるのを機に、返済原資に充てていた
原資を積み立て、この基金を元に10年後の特別区民税の減税を企図している
という。
このアイデアは、今年の1月に報告された杉並区減税自治体構想研究会報告書
に基づくもので、非常に興味深いシミュレーションです。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/H21genzeijichitai_houkokusyo.pdf
10年後と言わずすぐにでも減税して欲しいとの声も多いでしょうが、
減税効果が薄く、実感が涌きにくいのも事実でしょう。
目先のことだけではなく、将来のわが国のありようを考えて頂くためにも
単年度予算から複数年度予算への変更は、期待したい政策ですね。