- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
3月12日付の日経新聞に、『米政府、ハンドルない自動運転車認可へ 安全基準修正 自動運転』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『米運輸省は10日、ハンドルやブレーキがない自動運転車の公道走行を認める規制緩和を発表した。革新的なデザインを持つ次世代車の実用化に道を開くことで、自動運転分野における国際開発競争をリードする構えだ。。。』
自動運転機能付自動車の開発・実用化は、日米欧中国などで、急速に進化し続けています。いったん進み始めた技術開発・実用化の動きは、止まりません。
自動運転機能のコア技術である、AIとIoT対応は、ほぼ日進月歩の形で多くの企業でその開発・実用化が進んでいます。
自動運転機能は、国交省の下記Webサイト上の資料にて以下のレベルが設定されています。
https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf
●レベル5;完全自動運転⇒常にシステムが全ての運転タスクを実施
●レベル4;特定条件下における完全自動運転⇒特定条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施
●レベル3;条件付自動運転⇒システムが全ての運転タスクを実施するが、システムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応することが必要
●レベル2;特定条件下での自動運転機能(高機能化)⇒高速道路での自動運転モード機能、車線を維持しながら前のクルマに付いて走る、など
●レベル1;運転支援⇒システムが前後・左右のいずれかの車両制御を実施、自動ブレーキなど
レベル1とレベル2は、ドライバーによる監視が必要です。対して、レベル3から5は、システムによる監視になります。
米国政府は、本日の記事にありますように、3月8日に米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が、自動運転システム搭載車に関する安全基準について、ドライバーが運転するためのハンドルやペダルなどを装備しない自動車に対し、安全基準を満たすことを可能にする規制修正を行うと発表しました。
つまり、米国では、人であるドライバーに頼らないシステムによる自動運転機能付自動車の開発・実用化を規制しないことになります。
この規制緩和は、米国でレベル3から5までの自動運転機能の開発・実用化を大きく後押しします。
米国政府の狙いは、明確です。中国で、積極的に行われている自動運転機能付自動車の開発・実用化の動きに対抗することにあります。
当然のごとく、国内自動車メーカーや、自動運転機能付EVの開発・実用化を目指している、ソニー・グーグル・アップルなどの非自動車企業も、システムによる自動運転機能の実用化に邁進します。
一方、日本では、政府が4日、レベル4の車両を使う移動サービスを解禁する道路交通法の改正案を閣議決定しました。政府は、モニターを使って遠隔監視しながら走らせる巡回バスなどを想定しているようです。2022年度中の運用を想定しています。
米国の自動車市場は、中国にこそ劣りますが、巨大な世界第2位の大きさになります。この巨大市場で、自動運転機能付自動車の開発・実用化に遅れれば、市場を失う可能性があります。
日本では、以前から、自動運転機能付自動車の開発・実用化の必要性が言われており、その文脈から上記レベル4の実用化に動きました。
米国の規制緩和は、日本政府の動きを大きく上回っています。国内企業には、米国市場でレベル3以上の自動運転機能の開発・実用化で、技術力を高めることを期待します。
新型コロナウイルスの影響拡大下で、遠隔医療やウエアラブル対応の医療機器やソフトウェアのニーズが、多くの市場で高まっています。
米国政府は、数年前から遠隔医療やウエアラブル対応の医療機器やソフトウェアの必要性を認識しており、水面下でアップル、グーグルなどの米大手IT企業と検討を行ってきました。
米国では、その検討結果に基づいて、FDA(アメリカ食品医薬品局)が当該技術・商品・ソフトウェアに関する規制緩和を行いました。
医療用途のウエアラブル端末機器になっている、アップルウオッチは代表事例の一つです。
米国政府は、米国企業が世界市場で勝ち組になるために必要な規則や規制の変更・緩和を極めて、柔軟に行います。その底辺には、米国を強くするという強固な意志と方針があります。
米国の現時点での競争相手は、中国です。
残念ながら、日本政府には、米国政府のような中長期的な視野に基づく、施策・規則・規制の作成や実施がほとんどありません。
この状況下、EVを含めて自動運転機能付自動車の開発・実用化を進めている企業は、米国市場での競争に参加することが重要であり、必要になると考えています。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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