公認会計士が循環取引提案か? - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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公認会計士が循環取引提案か?

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雑感 業務その他
5日3時30分時事通信社ネット記事はこう報じた。

新潟県長岡市の工作機械メーカー「プロデュース」(08年10月に
ジャスダック上場廃止)が有価証券報告書などにうその内容を記載し、
虚偽決算に基づき増資した疑いが強まったとして、さいたま地検は、
前社長(40)や監査を担当した公認会計士(39)ら数人と
法人としての同社について、証券取引法(現・金融商品取引法)違反容疑で
強制捜査する方針を決めた。
証券取引等監視委員会と合同で長岡市の本社など関係先を家宅捜索し、
容疑が固まり次第、逮捕するとみられる。

捜査関係者によると、前社長らは、取引先と伝票上のやりとりだけで
架空の商品売買を繰り返す「循環取引」と呼ばれる方法などで売り上げや
利益を水増しし、有価証券報告書などにうその決算内容を記載して
関東財務局(さいたま市)に提出。
07年12月には虚偽の決算内容に基づき増資を行い、40億円を調達した
疑いを持たれている。
また、前社長は同月、保有する同社株を売却して利益を得た疑いもあるとされる。

同社は報告書などで06年6月期の売上高を58億円、07年6月期は97億円、
08年6月期は163億円と記載していたが、同社の民事再生手続き関連資料
によると、実際は07年6月期は32億円、08年6月期は36億円だったとされる。

会計士は東京都千代田区の監査法人の元代表者で、05年12月の上場時に
決算監査を担当したほか、上場後も大半の決算期で会計監査を担当。
虚偽の決算内容と知りながら監査報告書で適正意見の表明を続けていた
とみられ、見返りに報酬を受け取っていた疑いもある。

同社は92年に前社長が創業し、新興市場の主力株のひとつとされた。
しかし、08年9月に同法違反容疑で監視委の家宅捜索などを受けた後、
前社長は取締役に降格。
信用低下から新規借り入れが困難となり、新潟地裁に民事再生手続きの
開始を申し立てて決定を受けた。


この事件は幹部4人が逮捕されることになった。
5日15時02分KYODONEWSはこう報じた。

さいたま地検特別刑事部は5日、ジャスダック上場廃止の工作機械
メーカーで新潟県長岡市のプロデュースの粉飾決算事件で有価証券届出書に
虚偽記載したとして証券取引法違反容疑で前社長佐藤英児容疑者(40)
=東京都豊島区=ら4人を逮捕した。
残りは同社専務だった井上義則(40)、取締役だった高野博(40)と
五十嵐幸男(53)の3容疑者。
売上高を水増しした有価証券報告書を提出したなどの疑い。



監査の専門家である会計士が加担して行われた疑いが強い粉飾決算事件は、
前社長ら会社幹部の逮捕にまで進んだ。

この事件の問題は、逮捕された会社幹部の問題では済まされない。

専門家による粉飾決算は、決算書の信用問題に関わる問題である。

このコラムでも先週書いていますが、証券市場に対する会計士の信用を
失墜させた責任は重い。
投資に対する自己責任を果たすための安全弁が会計士監査である以上、
粉飾決算に関わった会計士の責任は万死に値する。

埼玉地検により専門家責任の厳正な追及がなされることを期待し、
日本公認会計士協会の自発的な処分が厳正なものであることを期待したい。