今、注目の「パラミロン」って？

パラミロンとは

　「パラミロン」って聞いたことがありますか？「パラミロン」とは、化学合成されたものではなく、黒酵母、パン酵母、キノコ類に多く含まれるβ-グルカンの一種で、自然界に存在するものです。

　パラミロンの機能性についての多面的な研究を行っているパラミロン研究会（会長　矢澤一良　早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所教授）によれば、パラミロンが感染防御機能などの免疫機能に寄与することや、耐糖能の改善および血中脂質濃度を改善する可能性が示唆されているようです。また、パラミロンは非常に珍しい構造をしており、まだ十分に解明されていない部分もあるものの、人の健康に大きく寄与する可能性を秘めているものです。

パラミロンは「引き算による健康維持」

　明らかになっていることの一つに、「パラミロンには腸内環境を整える働きがあること」があります。パラミロンの表面には無数の小さな穴が開いており、吸油性と吸水性に優れています。また、食物繊維のように消化されにくい特性を持っています。つまり、胃で消化されずに腸まで届き、腸内にある悪玉菌を小さな穴に吸着して取り除くことで、乳酸菌を活性化し、腸内環境が整うと、便通がよくなったり、肌トラブルが改善されたりするなどのよい影響が期待できるわけです。

　また、腸内にある過剰なコレステロールや脂肪などを穴に取り込んで吸着し、小さな穴に取り込んだまま体外に排出されます。体内の余分なコレステロールや脂肪を減少させることで、メタボリックシンドロームや成人病の予防にも役立つというわけです。まさに、体内にある不要物質を外に出す「引き算による健康維持」が可能になるのです。

　ヨーグルトに含まれるビフィズス菌にも腸内環境を整える機能はありますが、不要物質を対外に出す機能はありません。また、ヨーグルト（100g）には炭水化物（100ｇ中5ｇ程）、脂質（3g程）、たんぱく質（4g程）も含まれているため、「健康に良い」というイメージだけで過剰摂取すると、他の栄養素を摂り過ぎてしまうということもおこり得ます。

　ただし、「パラミロン」を含んでいる生物は、現時点ではユーグレナ（※）だけしかないため、ユーグレナを摂取する必要があります。ちなみに、ユーグレナ1日1000mg（=1g）で炭水化物0.5ｇ程、脂質0.1g程、たんぱく質0.6gです。

　このように栄養素の機能に関する正しい知識はもちろんのこと、栄養成分にも目を向け、効率よくサプリメントを活用することがイキイキと健康で楽しく生きていくためには大切です。

 　その他、パラミロンに関する情報は、こちらも参照してください。

※ユーグレナ（和名：ミドリムシ）は、単細胞の微細藻類です。ムシではなく、ワカメや昆布、テングサなどと同じ「藻」の仲間ですが、鞭毛を動かして活発に運動もし、植物と動物の両方の特徴を持ちます。