中性脂肪に良いサプリ

１．中性脂肪を上げる栄養素は炭水化物

　「中性脂肪値が高い」と聞くと、「脂質の摂り過ぎが原因か」と思われるかもしれませんが、実は炭水化物の摂り過ぎなのです。

　食事によって体内に取り込まれた炭水化物（糖）は、エネルギー源になりますが、身体のエネルギー需要を上回った余剰の糖（グルコース）は、肝臓で中性脂肪に合成され、血液中に放出された後、脂肪組織にて中性脂肪という形で中長期的に貯蔵されます。中性脂肪はすぐにエネルギーとして使われず、万が一に備えて体内に蓄えられています。中性脂肪は１ｇあたり９Kcalのエネルギーを有しています。糖やたんぱく質は１ｇあたり４kcalなので、いかに高いエネルギー源になるかがわかると思います。

　中性脂肪が上がる食習慣には、肥満に関するものと、炭水化物とアルコールの過剰摂取による２つの経路があるようです（注）。肥満は、食べすぎ（炭水化物、脂質、たんぱく質、アルコールの過剰摂取）と運動不足（エネルギー消費不足）に起因しています。肥満（BMI＝体重㎏÷身長m÷身長m　２５未満）ではないのに、中性脂肪が高い場合には、炭水化物かアルコールの摂取量をチェックしましょう。

２．中性脂肪が高いと何が起こる？

　正常な場合は1デシリットルの血液中に５０～１４９ｍｇです。基準値より高い場合は高脂血症、糖尿病、膵炎など。低い場合は、肝臓病、甲状腺機能亢進症、副腎機能不全などの疑いがあります。一度、血液検査の結果を確認して、基準値より高い、もしくは低い場合には最寄りの医師に相談することをお勧めします。

３．中性脂肪に良い食事＆サプリメント

　中性脂肪を増やしやすい食べ物は、 バタ－やクリ－ム、牛肉や豚肉など脂質の多いもの、果物、はちみつ、菓子類、ジュ－スなど糖質の多いもの、ビ－ル、酒、焼酎などのアルコ－ル飲料などです。

　中性脂肪を減らすためには、

①  食べ過ぎないようにする

②  炭水化物の多いものは控えめにする

③  アルコ－ル飲料は控えめにする

④  油脂類は動物性油脂を控え、植物油や魚油を使用する

⑤  食物繊維を十分に摂る

⑥  継続的に適度な運動をする

ことが大切です。

　「いきなり、そのような食生活は無理」という方は、サプリメントを活用しましょう。

　中性脂肪が高い方にお勧めのサプリメントの関与成分としては、グロビンたんぱく分解物、ウーロン茶重合ポリフェノール、中鎖脂肪酸、茶カテキン、EPAとDHA、コーヒー豆マンノオリゴ糖、βコングリシニン、難消化デキストリンなどがあります。それぞれ、中性脂肪を抑える仕組みが違うので、どれが一番いいとは一概に言えません。

　ここでは、皆さんがよく耳にする「茶カテキン」と「EPAとDHA」を取り上げ、その仕組みについて説明します。「茶カテキン」は食事性脂肪酸の分解を促進するとともに、肝臓におけるβ酸化を促進することで脂肪を減少させます。「EPAとDHA」は、肝臓における中性脂肪の合成を抑制し、脂肪の燃焼を促進させます。

 　ただし、毎回お伝えしておりますように、サプリメントは薬ではないので、「毎日茶カテキンを飲めば、中性脂肪の数値は改善するのか」という極端なものではありません。主食、主菜、副菜を基本にした食事のバランスと適度な運動が欠かせません。

 　最後に私の改善例をお示ししておきましょう。1年半前の私の中性脂肪は異常値ではなく、一応基準値内に収まっていましたが、１０６という数値であったため、炭水化物の摂り過ぎに注意し、ジムでの週１回の運動および体内の余分な中性脂肪を吸着して排出するはたらきがあるパラミロンやDHA、EPAを含んだユーグレナグラシリスを活用してきました。その結果、１年半で１０６から８１まで数値が下がりました。

　食習慣の見直しとサプリメントの賢い活用が大切ですね。

 注）参考文献：「栄養データはこう読む！」佐々木敏著　女子栄養大学出版部