本年も引き続き、気づいたことや現場で使えるヒントなどを書いていきたいと思います。拙い文章ですが、お付き合いの程をお願い致します。
今回は、最近の雇用不安を見ていて、改めて思ったことについてです。
以前のコラムで、雇用のミスマッチについて書いたことがあります。
(関連コラム:人手不足と就職難)
就職難だと言って苦労している方々がいる反面で、人手不足だがなかなか採用ができないと言っている会社もあり、かたや求人情報にたどり着けずに機会を逸し、かたや情報提供が思うに任せず採用できないでいる、これらを結び付ける施策がうてれば多少なりとも良い方向に向かうのでは、という趣旨でした。
最近のニュースなどで「派遣切り」にあった方々の様子を見ていると、仕事探しはやはりハローワーク頼りのように見えます。
ハローワークも専門家ではありますが、当然限られた求人情報の範囲で求職者とのマッチングを図ることが主体になりますから、出来ることにはおのずと限度があるでしょう。
今まで採用難だった居酒屋チェーンや、サービス業系の会社が採用活動をするなどの話がありますが、まだ定員には満たないと聞きますし、そもそも求人情報として求職者に届いているのか、それとも条件等の問題で求職者のニーズと合わないのか、などと考えてしまいます。確かに住む場所を失っているような方は、住み込みの仕事でなければ困ると言うような話も聞きます。
職種の問題としても、求職者としては、例えば製造現場の経験者が接客業へなどということには、当然二の足を踏むでしょうし、これまでの経験の範囲で仕事を探そうとするでしょうから、どうしても視野は狭まってしまうでしょう。一方周りから見れば、他の分野でも十分やっていける人もいるはずで、このような人たちの視野を広げるには、第三者的な立場でアドバイスをする人が必要でしょう。
マッチングを促すためにできないかと思う策として、
・公的機関、民間それぞれで扱っている求人情報の集約
就職困難者や失業者対策に限定し、ハローワーク、就職サイト、フリーペーパー、折り込み広告など、様々な所に散らばっている求人情報を集めての情報開示
・潜在化している求人の掘り起こし
企業訪問などで、「いい人がいれば雇ってもいい」というような、消極的求人情報の掘り起こし
・キャリアカウンセラーなどによる仕事探しのアドバイス
求職者の希望や経歴と、実際の仕事探しに向けて、視野拡大ができるようなアドバイス
すでに実施されていることも、ピント外れな事もあるかもしれません。また、今の企業側の対応に対しては、どんな材料をどう判断した結果なのか、聞きたい事も言いたい事もいろいろありますが、相手を責めているだけでは、何も解決しないような気がします。
それぞれの立場でできることを考え、まず出来ることからやってみるということが一番必要なのではないかと切に思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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