「コミカレから大学へ」は簡単だという危険な思い込み（２）

頻繁に耳にする「コミカレから大学編入する留学」

いつ、どこから発生した「大間違い」かよくわかりませんが、「コミカレ」は誰でも入れて、そこにいるだけで大学編入が出来ると妄信的に信じている人が多いことに呆れています。
（先日もコラム「『コミュニティ・カレッジ進学は簡』」という日本人の思い込み」というコラムを書いたところです。）

日本の高校を卒業後、英語能力がカナダの大学レベルに届かない場合（TOEFLiBT90レベル）、College のESLに入りそこで修行させられます。

日本の高校までに英語のクリティカル・シンキングを準備していない人の場合、かなり英語運用能力は低いと思われます。

そのレベルからはCollege のESLのあとにあるアカデミックコースレベルに到達するのは不可能に近いことを完全に「抜いて」夢物語で考えている「留学願望」に聞こえます。

こんな質問に回答しました。

（質問）

僕はコミカレに2年行った後にカナダのSimon Fraser 大学に編入したいと思っています。

編入条件はGPA以外に何があるのでしょうか。高校の成績も必要なのでしょうか。

コンピュータサイエンスを専攻するつもりです。

（回答） 

まずはSFUのサイトで編入条件を確認して下さい。

各大学により条件は異なりますので、よく調べることが大切です。
カナダの大学入学希望であれば、大学のホームページに記載されている入学条件、プロセスなどは自分で理解出来るだけの英語力は必須ですから。

詳細は、直接大学のAdmission Officeに問い合わせることも出来ます。

カナダのカレッジ経由で大学への進学を目指すために、まず渡加時点での英語能力が問題になります。

TOEFLで言うならば、最低iBT50以上は取ること。（本来は70前後はほしいです）

それよりも点数が低い場合、カレッジのESLから抜け出て大学編入に必要なアカデミックコースまでたどりつくことは不可能に近いです。

例えばTOEFL50でも、その先はかなり厳しい勉強が待っています。

TOEFL50の能力でカナダのカレッジのESLに入ったとしましょう。

ESLの下の方のレベルからの開始、

おそらく1年ほどはESLのみで英語の能力を上げる勉強に終始します。

ESLの単位はSFU編入には使えませんので、単なる準備期間となります。

2年目にやっとアカデミックコースのSFUと互換性のある単位取得が始まります。

もちろん成績が非常に重要となります。

Computer Science に編入するためには、細かいSFUの規定はもちろんですが、高い数学能力、基本のcoding 知識も必須です。

そこで初めて編入への手続きに入ることになります。

現在もし高校生でしたら、数学の高いレベルまでの単位（好成績も必須）は必ず取得しておいて下さい。

英語もクリティカルシンキングを使ったreading/writing の準備が必要です。

いわゆる受験勉強のような暗記英語は役に立ちませんので、念頭におき、あとで後悔のないよう準備を始めることを強くお勧めします。

「2年後に編入」の現実は非常に厳しいことを忘れないように。

Good Luck!