- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
2008年もあと一月を残すだけと為りました。本年は、サブプライムローン問題を発端とする米国発の金融危機の深刻化で、我々一般投資家の金融商品・不動産も大きく毀損し痛手を蒙る結果となっています。多くの方は含み損を抱えていらっしゃるのではないかと思われます(私もその一員です)
。
でも、我々はプロとは違い、短期間での結果を求められてはいません。現況、不透明な先行きですが、長期投資のスタンスを維持することにより、プロに勝る投資成果が得られることを期待し、資産配分(アセットアロケーション)を整えるリバランスをお勧めします。
ご承知のこととは存じますがリバランスの対象は、定期預金、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、REIT、不動産、金を含む商品などの資産クラスのバランスです。
投資を行うにあたって(途中でも)、決定された資産配分の方針、例えば、期待リターンが4.0%で、資産配分を株式と債券のバランスが1:1、国内と海外が6:4とされていた場合に、現時点の保有資産を円で評価した後の比率が、先に決定していた方針と異なる際にリバランスを検討します。
通常、リバランスのタイミングは年1回程度です(インターバルは決まっていません)。
臨時に行う場合は、今回のようなパニック状態で、各資産の変動率が大きく、その結果として資産のバランスが崩れた場合です。現在は、国内債券の比率が増し、外国債券、国内株式、外国株式の比率が低下しているものと拝察いたします。またREITや新興国の株や債券も低下しているものと拝察いたします。
手順は、全ての資産クラスの現在高を評価し、当初方針よりも3〜5%程度異なる資産クラスを元に戻します。
追加資金をお持ちの場合は、比率が低下した資産クラスに追加して、バランスを均します。追加資金が少ない場合は、比率が高くなった資産クラスのものを売却し、低下した資産クラスに投下します。
リバランスの必要性は、今年上昇したものは来年値が下がる可能性が有り、値下がりしたものは値上がりする可能性があります。過去のデータでは、「平均への回帰」という現象がみられ、価格の戻りで平均値に近づく結果になることが確認されています。時間軸を長期に取るとリターンは平均値に近づくことになります。
なお、今回の株価大暴落、為替の乱高下で、アクティブ・ファンドの多くは、インデックスを下回っています。また、長期間でより良い成果が得られる商品は、資産クラスの中で充分に分散された商品によるものとされています。従いまして、リバランスの際に、各インデックスに連動するインデックス・ファンド(ETF含む)をコアとしたポートフォリオの組みなおしもお勧めします。
資産配分の参考として私のHPに資産配分検討表とともに、年金を運用している、国民年金基金連合会(均等配分型)、企業年金連合会(株式重点型)、年金積立金管理・運用(独行法)(日本債券型)の資産配分、各資産別の期待リターン(収益率)を掲載しています。宜しければご一読下さい。http://www.officemyfp.com/assetclass-1.html