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年金関係課税事件(3・特約年金二重課税まとめ)

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発表 実務に役立つ判例紹介
昨日、一昨日と長崎の特約年金二重課税事件について紹介してきました。

地裁(長崎地裁平成18年11月7日判決)は、
夫の死亡に基づき妻に年金として支給される特約年金について、
相続財産として相続税が課せられながら、雑所得ともなるのは、
二重課税に該当し、許されないと判断したが、
高裁(福岡高裁平成19年10月25日判決)は、
特約年金については、夫の死亡を基因として生じた年金受給権と
毎年の年金を受け取るための支分権とは、別個の権利であるから、
年金受給権に対して相続税を課し、支分権に所得税を課すことは
二重課税に当たらないと判断したのである。

本件は生命保険会社にとって非常に頭の痛いところであろう。
最高裁に上告されたのかどうか、不明であるが、
もしこのまま判決が確定するとしたら、
死亡後の年金払特約について、相続税の対象であり、所得税の
対象にもなるということを説明しなかった場合、
代理店の説明義務違反を問われることになるからである。

「法は不知を許さず」

ですから、知らなかったでは済まされません。
大変な事態ですね。

高裁判決を見ると、保険金受給者が保険料を支払っていないのに、
相続を基因として年金受給権を得ているから、相続税の対象だ、
と読めます。つまり、高裁の論理は、支分権として発生する
年金の受給については雑所得の対象とすることが前提となり、
保険料を支払っていない年金受給権は相続税の対象とする、
というものではないでしょうか。

また、控訴人(被告)が主張した立法当時の税調答申の見解は、
高裁判決の判示の中でも是認されていますが、
立法当時から相続税と所得税とは別の税目だから、
二重課税に当たらないと考えられていたわけです。

この点については、法人における認定賞与の問題と同じ論理です。
認定利息も、法人税で役員賞与として損金性を否認して、
役員賞与となるから、役員の源泉所得税の増差税額となるわけです。

税目が違えば二重課税に当たらないというのは、
昔から問題視されてきましたが、国税当局は是正するそぶりを
一切見せていません。
法律が認めている、都合よく課税できるポイントでもありますから、
政治家の皆様がこの点をよく理解して政治主導で是正しない限り、
おそらく直らないでしょう。

本件は、残念ですが、解釈論では、逆転の余地はないようです。

また、本件は地裁では弁護士を付けない本人訴訟で行われた事例です。
原告の担当税理士は、地裁判決後の平成19年2月に
東京税理士会館で講演されましたが、
熱の入ったすばらしい講演だったそうです。
私は所要で出席できなかったのですが、聴きたかったですね。

高裁では、九州北部税理士会きっての理論家の皆様が
補佐人税理士として参加されていたのですが、解釈論では勝てませんでした。

年金の問題は、近年注目されてきましたが、
年金や保険にかかわる税金問題は、
これから大きな問題になってくる可能性が高いですね。
今のうちにおかしなものをどんどん明確にしていく必要があるのでしょうね。

皆さんも、保険契約の際には、
税金がどうかかわっているのか、
頭の片隅で考えてみて下さい。

保険は金融商品ですから、自己責任原則が強く働きます。
自分が入っている保険がどういうものなのか、理解して、
いい保険に入りたいものですね。

次回は、本件とは逆に、支給日が後になった年金の受給権が
いつ確定したのかが争われた山形の事件
(最高裁平成19年9月25日判決)を検討します。

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