《聴心館》【心の炎・散歩路 No.6】認知行動療法の科学性 - 心の病気・カウンセリング - 専門家プロファイル

国府谷 明彦
カウンセリングセンター聴心館 聴心館館長
東京都
厚生労働省認定 産業カウンセラー

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閲覧数順 2024年04月17日更新

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《聴心館》【心の炎・散歩路 No.6】認知行動療法の科学性

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心の炎・散歩路


《聴心館》【心の炎・散歩路 No.6】認知行動療法の科学性


 昨日は認知行動療法の歩みのようなお話でした。ざっと駆け抜けただけですけれど。きょうは,認知行動療法の科学性のような話です。


 認知行動療法の科学性の大本にあるのは,他の心理療法と違って,治験結果を重要視していることです。薬のように治験データがあるだけでも,他の心理療法とはひと味違うという感じですよね。たとえば,認知行動療法のうつ病の改善率が85%とか,強迫性障碍の改善率が65%といった数字が出ています。これは,あくまでも特定の治験データの数字で,世界中どこでも必ずこの数字となる訳ではないことを付言しておきます。


 治験と言えば,おもしろいことがあります。認知行動療法の治験の際に,うつ病の患者さんを3つのグループに分けて,1組は「認知行動療法単独で治療する」,別の1組は「抗うつ薬を投与しながら認知行動療法を併用する」,最後の1組は「プラセボ(偽薬)を投与しながら認知行動療法を併用する」という治験を実施したそうです。その結果,最も改善率が良かったのが「認知行動療法単独」だったそうで,「抗うつ薬+認知行動療法」と「プラセボ+認知行動療法」が全く同率だったという意外な結果が報告されています。「抗うつ薬」の結果に一瞬びっくりしてしまいました。


 さて,こうした治験データによる実証性が決め手になり,アメリカでは精神医学会によって,抗うつ剤とともに認知行動療法が,うつ病の第一選択薬に推奨されています。第一選択薬とは,その疾患の治療に際して,まず最初に使用される薬という意味です。また,イギリスでは,国自体が認知行動療法士1万人養成のための7カ年計画をたて,これが実を結んでいます。


 聴心館で認知行動療法を実施するときには,こうした科学性を確保し,確実に治験データを生かせる技法を使用した治療改善策を意識しています。それが,認知行動療法を受ける皆さんに対する正しいあり方と考えるからです。また,聴心館のご案内になりそうなので,この辺にしましょう。ではまた。

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