インフレが社会を変えつつある。 - 資産運用・管理 - 専門家プロファイル

前田 紳詞
代表取締役
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

山中 伸枝
山中 伸枝
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2016年12月04日更新

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インフレが社会を変えつつある。

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ファイナンシャルプランナーが教えるシリーズ ネクスト・ソサエティーの到来

消費者物価指数は年内には2%突入



6月の消費者物価指数が前年比で1.9%になりました。

私が主催するファイナンシャル・プランナー教える経済教室では今年はじめから、
「年内にはインフレが2%に到達する」

「インフレと景気後退が同時に発生する”スタグフレーション”に備える必要がある」
ということをずっと指摘してきました。その対策についても説明してきました。

2%を超えることは毎月発表される”消費者物価指数”と”国内企業物価指数”の流れ、世間の物価や海外の動向を観ていれば誰でも分かります。

この傾向はまだしばらく続くことでしょう。

インフレで何が変わるのか?



去年、書いたコチラのレポートではインフレが家計に与える影響について述べています。

インフレになると単なる物価上昇以外に、社会にいろんな影響を与えます。

いくつかを簡単にまとめてみると

預貯金資産の実質元本割れが始まる。


上のレポートに書いてありますが、普通預金に預けても金利が0.2%しかつかなれば、物価上昇率と相殺すると1%以上のマイナスになります。その分、資産価値は目減りしたことになります。

金利上昇が始まる。


物価上昇を抑えるためには中央銀行(日本なら日本銀行)は金利を引上げて世の中に出回るお金の量を減らす政策をとります。
しかし、日本の物価上昇率は世界的に見ても低く、国内景気が悪化してきているため、年内は金利を引上げないといわれています。

今後もおインフレが続くのであれば、”物価の番人”である日銀はいずれ金利をは上げる必要性が出てくるでしょう。

国債マーケットがおかしくなる。


最も安全性が高いと言われる日本国債の利回りが10年もので1.6〜1.8%です。これよりも物価上昇率の方が高いということは合理的に考えれば国債を購入する人が減るはずです。
これは国債価格が下がることを意味します。現在は、日本銀行が毎月、約1兆2千億円買い続け、一部機関投資家が安全性資産ということで買い続けているため、持ちこたえていますが、将来どうなるか不透明です。

公的年金の運用先は6割が国債です。年金資産がどうなるか心配です。

将来、公的年金の実質減額の可能性が高まる。


将来の年金額の計算ではマクロ経済スライドが採用されています。
その結果、インフレになった場合、それと同じだけ、年金が増えない仕組みが導入されています。例えば物価が1.9%上昇しても、年金額は1%しか伸びないことになります。
年金でもらう金額は10年20年以上先の話であり複利で考えれば大幅な実質支給減少を意味します。

その結果、老後のリタイヤメントライフプランが厳しくなる可能性があります。

デモ・ストライキが多発するなど社会不安が起きる可能性がある。


海外では急激なインフレでデモや暴動が多発しています。IMF(国際通貨基金)の発表でも世界20カ国以上で暴動が起きています。
日本はそこまでひどくなりませんが、すでに漁業組合が燃料高騰から1日、漁を取りやめて世間にアピールしました。同じことがフランスでも起こっています。

マイナスの影響だけでなくプラスの面も



インフレには悪いことばかりでなく、良い面もあります。

デフレ経済からの脱却が可能となる。


日本はずっと物価が下がり続ける”デフレ経済”でした。その結果、企業の売上や利益は下がり、賃金の上昇も止まっていました。
年内はインフレによる景気の悪化が続く可能性があります。

しかし値上げにより企業の売上や利益は上昇して、その結果、お金が回るようになります。これは景気を良くさせます。

海外からの投資資金が集まる可能性がある。


世界中で物価がそれ程上がっていないのが日本です。これまでずっとデフレが続いていた”ケガの功名”です。
サブプライムローン問題の影響が少ないのも日本です。
日本の株価は世界的に見ても、ずっと上がっていません。そのため世界の資金が日本に流れつつあります。政策ミスさえなければこの傾向は続く可能性があります。

このように、10年以上続いた”デフレ経済”は終わりを迎え、”インフレ経済”に日本も世界から遅れて入り始めています。

これに備えるため、私たちは考え方を180度転換する必要性に迫られているのです。