起業の実現を難しくしている原因の一つに、起業に向けての準備方法の失敗があります。もしあなたなら、起業に向けて事前準備をしょうとするとき何をしますか。多くの人は、起業したときに役立つように、簿記やマネジメントの勉強をすると言います。90年代終わりの大不況に、失業したときのために資格取得の専門学校に通いだすのと似ています。
実際には、資格を生かす仕事に就くことなど考えていないのに、行政書士や社会保険労務士の資格取得ために勉強をする人が大勢いました。結果的に、資格取得学校や資格試験の運営機関は多大な利益を上げました。ただ、受験した当人は、多大な努力と時間をかけた割りに得たものは何だったのでしょうか。頑張り損に終わっているような気がします。
芸事の世界には、「壁に向かって100回練習するより、客前で1回やる方が勝ち」という言葉があります。倣うより慣れろと言うことです。起業にも、まったく同じことが言えます。起業準備のために、遠回りの実際に役立つかどうか判らない勉強をするより、現場に少しでも早く身を置くことが起業には大事です。
この話をしますと多くの人は、現在会社勤めをしていて、起業の現場に立つなんてムリと言います。わたしは、準備期間の時から既に起業が始まっていると思っています。会社勤めをしながら、何とか起業現場に立つことができないか、不可能なことを可能にするアイデアを考えることは、そのまま起業して難題に立ち向かう精神と同じことです。
【一言】
起業においては、一切の無駄を排除することが大事です。資金についても、時間についても、無駄なことはしないこと。また、不可能なことを可能にするアイデアを考えることも大事です。起業準備の期間に、このような実践的な能力を身につける期間です。役立つかどうか判らない、もし役立ったとしても、必要なときにはすっかり忘れてしまうような知識を勉強している暇はありません。実践的な起業相談にのっています。
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