個人消費、公共投資など増加するなか、設備投資だけが0.7%減少しています。アベノミクスによる異次元の金融緩和が実施されるなか、企業経営者は新たな投資に慎重な姿勢を変えていません。以前、「日本中がデフレ脱却のため足並みを揃えて、景気のよい話をしているのに、何故ここでは足を引っ張るようなことを書くのですか」と聞かれたことがあります。
バブル経済の時をはじめ、好景気を煽るメディアはこれまでにも何度もあり、そのたびに後からメディアの役割が問題になっています。自信満々に「これから給料が上がります」とか、「日本経済は変わります」と言っている安倍首相が、どこまで経済を見通しているか疑問です。これまでにも政治家は、何度も景気を煽って、その後は空中分解の連続です。
企業経営者が設備投資に慎重なのは、多額の投資をしたはいいが、その後景気が失速して、会社が倒産するケースはいくらでもあるからです。しっかりとした需要の裏づけがないと、人口が減少しているわが国では設備投資は難しいのが現実です。これは、起業を目指す人も考えなくてはいけないことです。政治家や官僚は、自分たちの保身のために煽っているだけです。
ここからが本題です。行政や政治に関わる人は、経済に関して数字や的確な言葉によって理解し、それを人に伝えようとします。今回、アベノミクスという言葉が一人歩きしているように、経済は人の気持ちの「気」や、景気の「気」によって動きます。多くの人が、これからは景気がよくなると楽観視して、モノの消費を増やしますと景気はよくなります。
同時に、この景気はいつまでも続かないと財布を閉じますと、景気は急速に悪化します。経営者が、その気になって資金を気前よく使いますと、回りからよい人とは言われますが、判断を一つ間違えますと倒産につながります。目に見えない、数字にも表れない気とはとても怖いものです。ただ、気を読めないとビジネスは上手くいきません。
【一言】
「気」に関しては、学校では教えませんが、世の中の空気を読めるようになりますと、経営者としては優秀です。日本で最高の頭脳と言われる官僚は、この気が読めない人たちです。モノゴトを頭で理解しようとするからで、優秀な経営者は肌で感じようとするから、理解できなくても人が何を求めているかを感じることができます。
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