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小学生への間違った英語教育

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日本の英語教育

小学生コースへの問い合わせが多い季節です。 何年も色々習っているけど学習している実感がない・・・と、親子でやって来ます。  そして親は、それまでの様々な英語学習経験を一生懸命説明してくれます。 

何十年もそんな子どもを見て来て、何と無駄な時間とお金を使っているんだろうとため息が出てしまいます。 親の時代から日本人がず~っと続けて来て、まったく役に立っていない英語教育をそのまま子どもにも受け継がせている悲劇に、そろそろ気がついて欲しいものです。

ほとんどの子どもは、とにかく小学生なのにこんなに覚えた!式の教育しか受けていません。 単語をこれだけ! 問題をここまで! 英検3級! やれやれ。。。。 あと、外国人の先生とゲーム。。。

英語の言語教育とは、今何を無理やり覚えさせるかではなく、例えば、その子どもが20歳になった時に、Critical Thinking の基盤を使いReading ,Writing を論理的に正確に行い、英語の明晰なreasoning を使った音声でのコミュニケーションが可能になるよう訓練して行くことです。 

20歳になった時に本当の意味で英語が使える。 こんな準備をするのが「子どもの英語教育」です。

そんな目的などまったく関係なく、「早期英語教育」とやらを経験して、途中から受け入れた子どもたちの様子を報告してみます。 35年の「あ~あ」です。

Case ①

一番悲惨なケース。 全国チェーンの大きな塾。 リーダーか何かを使ってフレーズ、文法の反復練習をしていた子ども。 一生懸命やった子どもほど、脳が完全に日本語で英語を理解するモードに入ってしまっています。

問題集の答えを暗記するようなもので、英語を単に( )の中にうまく当てはめるパズルだと認識している傾向が非常に強いです。 また指導も英語の専門家でない手によることが多いようで、音も完全に脳の日本語部分で勝手にカタカナに変えて覚えてしまっています。

「英語とは何か」の誤認識や、音の大きな思い込みを変えるよう誘導しても、結局高校卒業するまで悪影響が大きく残ることがほとんどです。 

*言語とは、周りの環境から文化もマナーも全部ひっくるめて「脳」が習得していくものです。 正解を(  )の中に入れることではありません。 まず耳に入ってきた新しいことばが「脳」に入ります。 この時には正確な発音でないと、ひとりでに脳が日本語部分で音を置き換えてしまいます。 指導者が説明するときもカタカナの日本語発音はタブーです。 単語の意味も、リストで提示し覚えさせるのではなく、文全体の文法から意味をを類推できるよう指導することが必須です。 そんな活動を通じ、子どもの脳は今までに「脳」に蓄積されている情報と比べながら、英語の情報をためこんで行きます。(Rice, 1990)。 

科学に基づいた脳の発達に逆行するワーストケースです。

Case ②

Case ①とそう変わらないほど矯正が非常に難しいのが、英検に集中した小学生です。 塾などでは、「小学生で英検2級!」とかを宣伝にしているところがありますね。 そんなところでは必死で過去問を覚えさせます。 

頭のいい子なら何となくパターンを覚え、全体の意味がわからなくても、知っている単語を手掛かりに四択問題に正解することは簡単です。 そんなパターン暗記をしても、20歳での英語能力にはまったく結びつかないどころか、大きな落とし穴があります。

子どもの脳の発達を科学的に分析すると、知っている単語のみを手掛かりにする英語の勉強法は、言語の発達を大きく阻害する可能性を含んでいます。 

十分英語の基本が出来ていない子どもに(基本習得には大体6年くらいはかかります)、無理矢理英検の内容を覚えさせたり、単語を機械的に覚えさせる活動は、 「脳」の中にある今までに蓄積された知識とはまったく切り離された単純な暗記です。 そのため、「脳」の別の部分が出動しネットワークを構築するはずの働きを阻害します。 

「脳」の中でネットワークが起こらない暗記はすぐに消え去ってしまいます。 暗記が消え去るだけでなく、脳の言語発達が、Native Speaker で言うと1歳半から2歳のレベルで止まってしまう可能性があります。 

英語が母国語の子どもは1歳半くらいになると、Telegraph Speech という話し方を始めます。 正しい文法はまだ使えないので、2語から3語の単語を組み合わせただけで、a, an, the や文の最後や、助動詞、その他の細かい大切な文法を排除した分を使います。 “Mama here,”(ママ、ここに来て), “Go’ way bug,”(虫あっち行った) “My toy” (僕のおもちゃはどこ)などとまるで電報のような短い文章です。 この言語段階をTelegraph Speech と呼びます。

「英検」に力を入れていた小学生には、見事にこのTelegraph Speech が観察されます。 どこで習っていたか聞く前にちょこっと英語で質問するだけで、「英検を勉強してましたか?」と当てるのが可能なくらいです。 Native Speaker の子どもは、もちろんこの段階から大きく言語を発達させていくのですが、Telegraph Speech を覚えてしまった日本の子どもの脳が、そこから抜け出すのは非常に難しいです、残念ながら。

よく考えてみると、日本の大人の話す英語もこれに近いことが多いですね。 A, an, the は適切に使えないし、動詞の時制など文法も怪しいです。 

日本で言われる「かたことの英語」がこれに当てはまるのではと疑います。

やはり日本の「暗記英語教育」の大きな弊害ですね。

Case ③

いわゆる進学塾におまけについている「英語」講座に参加。

毒にも害にもならないです。 もし、講師が気合入れ過ぎて、変な発音教えたり、文法や単語を暗記させていると害の方が多いですが。

子どもも余り興味を持ってない場合が多いので、ま、上記二つのケースよりははるかにマシです。

Case ④

外国人の会話学校。 一番ほっとするケースです。 害はほとんどないです。 

運よく日本の子どもを良く理解しているNative講師に習った場合は、きれいな発音が身についている子どもが多いです。 でも、それだけです。 英語を言語として理解するところまでは到達していません。 何年通っても、まだ英語基本習得の入口に立っています。

日本の子どものことがわかってない講師に当たった場合は、お金の無駄ですね。 わからない音が聞こえて来たり、わからないことを話しかけられたりした子どもの脳は、その部分だけを無視します。 従って、反応せずにただ受け身でいるだけだったり、リピートしても自分の脳が消化した音だけを繰り返します。  こんな子どもの音の出し方は将来論文にしたいくらい興味深いです。

しかし、矯正は十分可能です。 


こんな悲惨な現状にやっと気がついた日本政府が、日本の英語教育を変えようと動き出しました。 特にCase ①②③のような教育は役に立たないと。 従来の暗記を試す英語の試験や、TOEIC(同じく暗記主体です)、英検などは役に立たないということです。 新しく、TOEFLを使う方針を決めたということは、つまり、「20歳になった時に本当の英語運用能力が出来ていること」を確かめる目的であると思います。

英語教育とは何のためのものか。 よ~く考えて、子どもの発達の芽をつまないようにしてあげて下さい。 
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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」
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英語学習の壁の正体(2015/07/22 14:07)

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