死亡保険金について(判例)

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公開日時
2011/02/13 15:44

CTRL+Vこんにちは。吉田行政法務事務所の吉田です。

さて、相続財産に「死亡保険金」は該当しないのですが、他の相続人とのバランスを注意することが大事です。

平成16年10月29日最高裁で以下のような判例があります。

 

「養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないと解するのが相当である。もっとも、上記死亡保険金請求権の取得のための費用である保険料は、被相続人が生前保険者に支払ったものであり、保険契約者である被相続人の死亡により保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持ち戻しの対象と解するのが相当である。上記特段の事情の有無については、保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人及び他の共同相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断すべきである。」

 

まだ、裁判ごとに変動はあるようですが、この「死亡保険金」についての最高裁の判断は「重要」である、と考えます。

たとえば、被相続人(亡くなった人)に多額の借金があり、子供たちは「相続放棄」し、配偶者も「相続放棄」した場合、「死亡保険金」の受取人が配偶者で、高額な「死亡保険金」を受け取り、それを資金にマンションを購入した場合などは、「その死亡保険金で借金の一部でも返済できないか」、「他の相続人との不公平が生じているのではないか」との問題が生じてきます。

これは、相続案件を扱う際に十分注意していきたいところですね。

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このコラムの執筆専門家

吉田 武広(行政書士)

吉田行政法務事務所 所長

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吉田 武広
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