対象:経営コンサルティング
毎年赤字の個人事業です。甲会社から、運営資金の立替金の債務あります。乙法人が商号もそのまま継承で債務を肩代わりの形で、事業(営業権)譲受してくれます。債権者甲の承諾はあります。譲渡額は、債務(負債)額とほぼ同額ですから評価額はありません。このような場合に譲渡税とか消費税はどうなるのでしょうか。
kin3さん ( 東京都 / 男性 / 79歳 )
回答:1件
譲渡所得をきちんと把握し、税理士・税務署に相談しましょう
kin3さん、こんにちは。
今回は、債務のある事業(営業権)を譲渡した場合、譲渡税、消費税はどうなるか、
というご質問ですね。
まず、前提となる「事業譲渡(営業譲渡)」ですが、会社の営業の全部または一部を他の会社に譲渡する契約のことを言います。
営業とは、一定の営業目的のために組織され、有機的一体として機能する財産・債務のほか、経営組織、ノウハウ、取引先との関係などを含む包括的な概念です。
以上を踏まえ、以下2点から回答します。
1.譲渡税について
2.消費税について
1.譲渡税について
まず、kin3さんのご質問にある「譲渡税」とは、「譲渡所得」にかかる「所得税と住民税」のこととして回答します。
今回は「営業権を譲渡」するとありましたので、総合課税の譲渡所得となります(所得税法33条第1項)
譲渡所得には、短期・長期の区分があり、その区分は資産の譲渡で資産の取得の日以後5 年以内にされたものが短期譲渡、それ以外のものが長期譲渡となります( 所得税法33条3項一、二)
また、譲渡所得の計算は長期、短期共に下記のとおりです。
・課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
上記算式で計算した金額を他の所得と合算して所得税が課税されます。
今回『譲渡額は、債務(負債)額とほぼ同額ですから評価額はありません』とありましたので、課税譲渡所得金額はなく、所得税は発生しないものと想像されます。
但し、このあたりの税金については、専門の税理士、もしくはお近くの税務署等できちんと確認されてください。
【所得税法】
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO033.html
【譲渡所得の計算のしかた(分離課税)】
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3202.htm
【長期譲渡所得の税額の計算】
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3208.htm
【短期譲渡所得の税額の計算】
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3211.htm
【税についての相談窓口】
https://www.nta.go.jp/shiraberu/sodan/sodanshitsu/9200.htm
2.消費税について
上記のとおり「営業の譲渡」とは、営業権、土地、建物及び債権・債務の譲渡等、営業に係る資産、負債を含めて譲渡する契約です。
その資産の譲渡については、課税資産と非課税資産を一括して譲渡するものと認められるため、課税資産と非課税資産の対価の額を合理的に区分して課税することとなります。
例えば、土地(10億円)、営業権(5億円)、有形固定資産(2億円)があった場合、課税対象は営業権5億円と有形固定資産の2億円、の合計7億円であり、土地の10億円は非課税となります。
kin3さんの事業に関しても、譲渡資産を一度整理し、課税資産と非課税資産に区分けし、税金をシミュレーションしたほうがよろしいかと思います。
【ご参考】消費税法施行令 第二章 課税標準(第四十五条 第三項)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S63/S63SE360.html
なお、上記はあくまで一般例となりすので、こちらも詳細については、専門の税理士さんや
お近くの税務署等でご相談されることをお勧めします。
kin3さんの今後の益々の発展をお祈りしております。
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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