対象:新築工事・施工
木造が好きで、特に自然素材にこだわりたいと思い本を読み勉強したり見学会に参加したり、いろいろなハウスメーカーや工務店などに伺っては話を聞いたりして自分により良い家か作りたいと考えています。
その中である工務店で話を聞いたとき土壁や羊毛断熱を標準仕様とし自然素材の家を売りにしているのですが、そこの社長さんが室内側には土壁の上にOSBを貼っているとおっしゃっていました。その理由は外の面材とで壁倍率を5倍にできるし。耐力壁でない場所でも下地になるのでその上から木でもボードでも何でも貼れるからとの事でした。その時はなるほどと思ったのですが数日経ちOSBの事など調べていると透湿抵抗が高い材料だとわかり矛盾が生まれました。その矛盾は土壁や羊毛には調湿作用があると思うのですが、OSBがあることで調湿作用を邪魔しているんではないかと思うようになりました。後日その社長さんに質問をしてみたら柱などの木が調湿してくれているから問題ないとの回答でしたが、専門家の方の意見も聞いてみたいと思い質問させていただきました。
長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
りょうたくさん ( 富山県 / 男性 / 34歳 )
回答:2件
小池 治夫
建築家
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壁体内結露防止策は、外側に行くほど、透湿抵抗値の低いもの
一般的に、外壁の仕様は、充てん断熱では、壁体内結露を避けるために、断熱材を壁内に充てんして、内側には、防湿シートを張り、外部には、侵入してきた湿気を外部に発散されやすいように、透湿抵抗の低い面材と透湿防水シートを張る通気層工法を用います。冬の結露対策を、考慮しした通気層工法は、湿気的には外部に向かうほど、透湿抵抗の低く材料を使用することが重要です。今回の透湿抵抗の高いOSBを内側に使うことは、問題ないと思います。逆に、外部の面材として、使う場合は、問題があります。内部に侵入した、湿気が、透湿抵抗が高くなり、外部に逃げなくなるからです。
「室内側に土壁の上OSBを張る」。この場合の土壁は、壁体内の相対湿度を下げる効果があり、調質材として、結露が起きにくくします。また、この場合のOSBは防湿効果と耐力壁を高める効果があります。 土壁が持つ調湿機能を、OSBボードを張って、弱めてしまうのは、腑に落ないと思いますが、外壁の場合は別です。あくまでも、壁体内に侵入した湿気を一時的に吸湿し、発散し、結露を防ぎます。 温度差のない、内部壁に使用する場合は、調湿作用を効果的に生かすために、土壁の上に、OSBを張ったら、意味がないです。外壁の壁体内結露防止のための調湿材の使用と、温度差のない壁に使用する調湿材は、同じ゛調湿材でも、機能が違います。かたや、結露防止のため、、かたや、快適な室内の湿度調整のためです。
中舎 重之
建築家
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土壁について
一般に日本人の感覚では、気温が20~25度C、相対湿度が60~70%が、
快感帯と言われています。
日本人が永い付き合いで使ってきた木材は、室内の湿度が高いと湿度を吸収し、
室内の湿度が低下すると、それを吐き出して快適な湿度環境を造り出してきました。
柱は勿論、床も壁も天井も無垢の木材ならば、すべてが調湿作用が有ります。
木材以外でも、土壁なども調湿性は有ります。次に材質による平衡含水率(%)を記します。
木材:25、土壁:15、クラフト紙:9、珪藻土:3
ビニールクロスは、調湿性が皆無で、透湿性もなく下地に木を使用しても無効です。
土壁の調湿効果についての、正式なデータはありませんが、個人的なデータを示します。
6月に、川越の土蔵と東京都練馬区の土塗り壁の住宅での測定です。
外部の湿度が80~100%の間で変化しているのに、室内では70%で推移して、
一日中変化は無かったとの事でした。
土壁には、蓄熱効果もあり、室内は夏・冬の外部の一日の温度変化対して、
変化の度合いが とても緩やかです。
古来、日本では極端な温度差を嫌う、味噌や醤油、お酒などの醸造施設が、
土塗り壁の蔵造りなのは、それが理由と思われます。
2015.3.26 中舎重之 Fax:046-263-9324
(現在のポイント:-pt)
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