対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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現状は大変危険
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ヒロタさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
土はとてもやっかいです。
地質により性格が全く異なり、状況によっても変わります。
そこそこ良質の関東ローム層では、2m位垂直に切っても自立安定していたりもするのですが、大雨や地震が起きると突如不安定となり崩れてしまいます。
擁壁の材料に関わらず、ある程度以上の高さの擁壁は、断面がL形形状とし、基礎の上の土の重量で地盤段差を安定させます。
コンクリートブロック(CB)は、擁壁としての曲げ強度が不足で、基礎もL形擁壁としての形状強度になっていないので、擁壁には使えません。
私は横浜、鎌倉の仕事が多いのですが、坂が多く、CB製の高い擁壁が多いことは知っています。
本田さんと同意見ですが、市は、本来CBの擁壁自体好ましくないけれど、やむを得ず3段までとしたのでしょう。
3段目まで残し土をすき取るのは、安全面では現状よりずっと良いです。
しかし、1.6m部分で高さ1m、巾≒1.7m取ると庭の使い勝手にかなり影響が出ますね。
もし現状地盤で擁壁を作るとすると、
・既製品プレコンL形擁壁
・RC(鉄筋コンクリート)擁壁
・型枠CB擁壁
が考えられます。
どれも、基本的にはL形形状は同じなので、土工事は余り変わりません。
既製品はRCより安いですが、段差1~1.6mと道路が傾斜しているようで、傾斜にうまく適合できるかどうか。
型枠CBというのは、強度の高いCBを型枠代わりに使うもので、構造的には一般のCBよりRC擁壁に近いものですが、RCより安いはずです。
一度価格比較されてはいかがでしょうか。
とりあえず、3段目まですき取り、将来恒久擁壁を設置する案もあるかもしれません。
参考にしていただけたら幸です。
評価・お礼
ヒロタ さん
ご回答ありがとうございました。「現状は大変危険」というのは認識しています。風致地区のため、どちらにしても1.5mは建物を後退させますので、まずは自然勾配にしては、と思ったところです。なお「既製品プレコンL形擁壁」「RC擁壁」「型枠CB擁壁」と3つの工法があるとのことですので、検討してみます。参考になりました。
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ヒロタさん (神奈川県/50歳/男性)
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