対象:住宅設計・構造
横山 彰人
建築家
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集成材について
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集成材の歴史は意外と古く昭和30年ごろから使われだしましたが、近年の耐水性接着材の著しい発達で積極的に使われてきました。
集成材の高い寸法精度や無垢材の1,5倍の強度があり、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」 が施工されてからは、全ての柱を接着集成材にした住宅も増えています。
しかし、ご質問のように疑いだすときりが無く、事実あちこちで集成材の梁が裂けたという情報を聞く事も多くなりました。
当然JASにおける厳しい試験や沸騰剥離試験をやり接着性能を見たりしますが、数字やデータをいくら調べてみても、その数字は正確でも流通、保管の段階や現場において、湿潤状態に置かれると剥離が出る可能性はあるでしょう。
希望しているデータは日本集成材工業協同組合に依頼すれば入手できるでしょうが、ヤング率も使う木の樹種によって違いますから、用途や工法によって選択することも必要でしょう。
データがあってもおそらく満足する結論には達しないのではないでしょうか。その意味では品質管理が行き届いているとはいえ、評価はこれからのような気がします。 横山彰人
評価・お礼
とやおた さん
最近の集成材は耐水性が上がっているとのご指摘ですが、私の認識では、最近は低ホルムアルデヒドということで、水性高分子イソシアネート系接着剤が使われることが多くなり、以前のレゾルシノール樹脂接着剤の頃に比べて耐水性は落ちている傾向が強いと感じています。
また、集成材は無垢材よりも強度が高いとのご指摘ですが、集成材の強度が上がるのは、主にせん断応力で、ヤング率に関しては無垢の良材と比べたら、殆ど変わらないという認識です。そして、良材と比べれば、データを見る限り1.5倍というのは誇張表現のように感じます。そして、接着剤の力でせん断応力を上げているので、煮沸試験などの耐久試験に強く興味が出ています。
森林総合研究所などで研究されている論文などに記載されているのかと思っていましたが、日本集成材工業協同組合に問い合わせるのが一番良いのですね。日本集成材工業協同組合などの業者よりの機関は、JASの試験レベル以上には興味が無いものと思っていました。
ありがとうございました。
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