- 下村 豊
- 株式会社CSプランナー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
全国的には分からないが、ここ京都には、知らない人がいないぐらい急激に躍進している日本電産本社がある。
京都の経営者といえば、京セラの稲盛名誉会長の稲盛イズムが有名だが、永守社長の経営手腕も常に注目され、多くの著書も出ている。
その日本電産の13期3月期の連結決算の見通しの発表があった。
なんと、通期で純益がわずか45億円の見通しになるそうだ。
この日本電産という企業、実は、世界一の小型モーターのメーカーである。
永守社長は、業績が悪化して赤字を垂れ流している優良(おかしな表現だな)企業を次々と買収し、買収翌年には、黒字化してしまういわゆる再建王と言える。
これも知っている人のは有名な企業だが、オルゴールで有名な三協精機、カメラ部品で有名なコパル電子、日立の子会社の日本サーボなどを次々と買収、翌年には黒字化して、グループ企業の売上は、1兆円にも届きそうな勢いの会社である。
永守社長の経営方針も、永守イズムと言われ、徹底したコスト削減が有名だ。
有名な話に、「月に何十万も払う受付の女性に、お茶くみをさせることほど、無駄なことはない。」「休みたければ辞めればよい。」というのがある。
本日は、日本電産の決算の話しなので、永守社長の経営方針については、別の機会に任せよう。
前述のように、日本電産の主力は、世界中で使われるパソコンのHDD(ハードディスク)やカメラのモーターである。
そのモーターの売上が激減しているのが原因らしい。
世界中で1年に生産されているパソコンやデジタルカメラは、数億台に上る量である。
そのパソコンやカメラに、複数台のモーターが採用されているのだ。
それが、タブレットの登場により、本体の売れ行きが、世界中で激減しているというのだ。
iPadの発売の時は、そこまでの予測ができなかったのだろう。
昨年一挙に、Google、Microsoft、amazonが参入したことで、パソコンが急激に売れなくなった。
また、日本メーカーのシェアが高いデジタルコンパクトカメラメーカーも、相次ぐスマホの参入に、赤字に陥っている。
これほどまでに、スマホやタブレットが急激に伸びることは予想できなかった。
まさに想定外なのだろう。
これほど短期間に、HDD、デジタルカメラに代る新商品を開発することは至難の業であることは、容易に想像できる。
しかし、グローバル化とは、こういうことだと肝に銘じておくべきだろう。
とくに、中小企業経営者様において、1社偏重の取引は、こういうことになったら、即、廃業を意味する。
ここでの教訓は、複数のメーカー、複数の商品、複数の取引先を確保しなければならないということである。
新商品開発、販路開拓についてのご用命は、お気軽にどうぞ。
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