- 志田 茂
- 志田茂建築設計事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
昨年一度、土地のご相談をいただいた方から正月休み中にメールをいただき、今日お会いしてお話をした。
決まりそうな土地があって、その土地についてと・・・ そして、その方・・Tさんの描く家についてのお話をお聞きした。
まずは驚いたのは、その土地の大きさ・・・ いや、小いささ。まだ決定はしていないので具体的な事は言えないが、、、。
私のところで設計した家で、土地の面積が一番小さいのが minika(ミニカ) で9坪。家の面積で一番小さいのが マニハウス の13坪(ロフト面積は含まず)。 今日お会いした方の家は、そのどちらも下回る。
「このような家の設計(を頼む事)は無理でしょうか?」 というようなお話だったのだが、、、もちろん、小さいからと言って 「設計するのは無理」 とお断りする理由は何もない。
Tさんは、ご夫婦で 真剣にご自分達の暮す家の大きさについて考えられ、面積もお住まいのところの状況を参考に 「ここまでなら大丈夫じゃないか」 と実証された上での事と・・。 半端な気持ちではない事がよくわかる。
家の大きさについては、標準 も 基準 もあるわけではない。 私は 延べ15坪の家 LWH を提案しているが、小さい家を推奨しているわけではない。ただ、物少なく暮らす事ができるならば、15坪でも家は決して小さくはない という事は自信を持って言える。事実、15坪前後の minika(ミニカ) LWH001 LWH002 マニハウス 鳥牛之家 で、施主の方々は、そこでの暮しを楽しんでいらっしゃる。 「こんな小さな家は失敗だった。。」というお話は全く無い。
なので、それよりも(少し)小さな家を 「これくらいだった大丈夫です」 と言われる方に実際お会いすると、 「えっ・・本当に大丈夫ですか?」 とちょっとビビるも、「無理ですよ」 とは思わない。 先に書いたように、思いつきで言っているのではなく、『実証』 と 『ご夫婦共通認識』 であるという事ならば、むしろ それを実現したいと思う。
ブログ にも書いてきたが、小さな家に住むには、、暮し方を見直し、小さい家はどゆうものかを実感し、小さい家を楽しむ気持ち・・・ いや 『意志』 がなければ絶対に無理なのだ。それは、ある意味 根本的な 暮しに対する思想 の問題になる。
Tさんは、私のブログもよく読んでくださり『思想』の話も理解されていて、LWH002のMさんのブログも読んで、その暮しの楽しさを感じられ、もはや、こちらが心配する事は何もない。なにより、ご夫婦で理解されているという事なので、まったく問題ないだろう。どちらか一方の思いだけでは成立しないので、そこは、一番重要かもしれない。
まだ決定していない土地での話で、もしかしたら、もっと条件がよく、もうちょっと大きい土地になってしまうかもしれないが、次のご連絡をいただくのを楽しみにお待ちしたい。
このコラムに類似したコラム
南向きではないけれど明るい家は作れます [西向きの家(土地)] 志田 茂 - 建築家(2013/05/29 15:00)
ちょっと難あり(斜面)、でも調理次第でキラリと光る土地に家を建てませんか? 小松原 敬 - 建築家(2013/08/09 18:27)
今後のお知らせと、家づくりで思うこと 一條 美賀 - 建築家(2012/10/22 14:39)
すまいをつくる-4 土地決定 藤本 香 - 建築家(2012/09/10 06:00)
建築条件付き 久和 幸司 - 建築家(2012/06/15 18:56)