珊瑚をしきつめたアプローチ - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

村上 春奈
村上建築設計室 
東京都
建築家

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:住宅設計・構造

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

珊瑚をしきつめたアプローチ

- good

  1. 住宅・不動産
  2. 住宅設計・構造
  3. 住宅設計・構造設計
イエノイエ
敷地に入ると、に向かって歩き、玄関へと進みます。

イエノイエのアプローチは、コーラル(珊瑚)でできています。細かく砕かれた珊瑚を敷き詰めて固めたもので、色が明るく表情も柔らかいし、起伏や曲線を生かした緩やかなアプローチをつくることができます。(写真では平坦に見えるかもしれませんが、歩くと微妙な変化があるのです。)

「建物の材料に珊瑚を使う?」・・・特別な印象をもちがちな珊瑚ですが、ここは沖縄。この島自体も珊瑚の上にできた島のようなので、近場で手に入る手ごろな材料ということになるのでしょうね。
以前、スペイン南部を旅行した時も、遠距離バスで移動中、あまり木の生えない赤っぽい岩肌の荒涼とした風景が延々と広がるのを眺めて、ヨーロッパの建物の多くが石造であることに妙に納得したことがあります。あたり前のことかもしれませんが、その土地に伝統的に伝わるものは、その土地の自然に即している。世界中のどこの物でも手に入ってしまう今だからこそ、そのことを大切にしていきたいですね。

また、このアプローチのような設計は、実際の土地に立ち、土地のもつ表情・個性を観察しながらでないとデザインしにくい(図面上では難しい)し、とても微妙な感覚を問われるような気がします。そういう意味でも土地に教わることは多いですね。

建物の足元には、沖縄ではポピュラーな「月桃」という植物が植えられています。虫を寄せつけず、殺菌作用もあり、この葉で餅を包んで蒸すといい香りがします。最近では月桃紙の原料としても有名ですね。
実はこの月桃を連れてきて、村上建築設計室のバルコニーで栽培中なのですが、東京の寒さにも慣れ、真冬でも元気に緑色の葉を広げています!もしかしたら最北端の月桃かもしれません・・・。

村上建築設計室