先物取引の3つの目的と必要な理由 - お金と資産の運用全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月25日更新

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先物取引の3つの目的と必要な理由

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昨日は先物取引の仕組み等について述べました。では、先物取引がなぜ必要なのかを考えてみましょう。

先物取引を利用する目的は3つで、リスクを回避すること、投機目的、そして利ザヤを書くとのすることを目的とするものです。

リスク回避目的:ヘッジ取引とは
現物の価格変動リスクを、現物と反対の先物を売買することによって回避する取引のことです。
現物の値下がりリスクを回避するには先物を売り(売りヘッジ)、現物の値上がりリスクを回避するには先物を買う(買いヘッジ)ことを指します。

売りヘッジでは、保有している現物が今後値下がりすると予想しているけれども、すぐには売却できない場合に、先物を予め売り建てておき、値下がりした時に現物を買い戻して、差金決裁を行って利益をえます。この利益で、保有している現物の値下がり分を補います。

一方、買いヘッジでは、将来現物の値上がりを予想しているけれども、購入資金がすぐに用意できない場合、先物を予め買い建てておき、値上がりした後で売り戻して、利益をえます。その利益で現物を購入した際の値上がり分を補います。
このようなことが出来るのは、先物取引が証拠制度に基づいた差金決済のシステムですから、少ない資金で取引を行えるという、利点があるためです。

投機目的の取引をスペキュレーション取引と言います。
前述した、先物の買い建て、売り建ては現物の保有・購入は前提ではありません。したがって、将来現物が値下がりすると考えた際に、委託証拠金を積んで、先物を売り建てし、考え通りになれば、差金決済すれば利益が得られます。もちろん、思惑が外れれば損失がでますが、リスクを覚悟の上でも少ない資金で多額の利益が得られるかもと考える人たちが取引に参加します。

同じように、将来現物の価格が上がると考える人たちは、先物を買い建てし、思惑通りであれば利益が出、思惑が外れれば損失を蒙ります。
委託証拠金は取引額の数分の1、数十分の1、数百分の1などそれぞれの商品で異なりますが、少ない資金で大きな取引が出来る、レバレッジ効果(梃の効果)がある取引です。

利ざや目的の取引を裁定取引(アービトラージ取引)と言います。
現物価格と先物価格、または同一の先物商品の先物価格と(期日の異なる)先物価格、について、その歪み(価格差)を利用して、確実に利益を上げようとする取引です。
いずれにしても、割高な方を売却して、割安な方を買い、将来、価格差が縮小した時点で反対売買することによって、価格差分の利ざや(利益)が得られます。

投機目的と、利ざや目的の取引は、現物取引のヘッジ取引とは目的が異なります。それぞれの思惑で、買い建て、売り建て、その反対売買を行います。
ただ、これらの取引が無く、ヘッジ取引だけでは先物取引は成り立ちません。
なぜならば例えばお米の取引で、現物を保有・購入する人たちだけでは、天候不順を予想する人と、天候不順にならないと予測するが人の、いずれかに偏りが生じ、ヘッジ取引自体が成立しなくなります。
そのような際に、様々な思惑やゆがみを修正する取引を行う人が多ければ多いほど、価格が一定の幅に収斂し流動性が確保されます。
従ってこのように多くの人が取引を行うことで取引所取引が維持されます。
日本の商品先物市場は、多くの投資家・投機家を引き込めずに次々と閉鎖・統合されています。

ところで、先物は株式であれば個別株式の数だけあるのではありません。上記の理由で多くの参加者が必要ですから、株価指数のTOPIX先物と、日経平均株価先物、日経225miniなどになります。
TOPIX先物は東京証券取引所で取引単位は東証株価指数の10,000倍
日経平均株価先物は大阪証券取引所、取引単位は日経平均株価の1,000倍
日経225miniは大阪証券取引所で取引単位は日経平均株価の100倍です。
債券にも先物があります。そのほかに金利先物、通貨先物もあります。

債券先物取引は、国債を取引対象とした先物商品で、東京証券取引所に2銘柄が上場されています。
長期国債先物(期間10年、利率6%) 額面は1億円で取引単位も1億円
中期国債先物(期間5年、利率3%)額面1億円で取引単位1億円
です。
これらは実在する債券ではなく「標準物」と呼ばれる架空の債券です。
債券は実物を先物として取引すると、時間の経過に伴って償還日までの期間が次第に短くなり、また表面利率も発行時期ごとに異なってしまうからです。
架空の債券ですが、決済方法は。期限日前の差金決済と期日日に実在の国債で現物決済できることが特徴です。

その他に、東京金融取引所(くりっく365で知られています)に上場されている金利先物があります。
銘柄は、ユーロ円3カ月金利先物取引、ユーロ円3カ月金利先物オプション取引、ユーロ円LIBOR6カ月金利先物取引、無担保コールオーバーナイト金利先物取引です。

東京金融取引所にはそのほかに
取引所株価指数証拠金取引 (くりっく株365)
取引所為替証拠金取引 (くりっく365)
などの取引があります。

※世界最初の先物取引の詳細は、商品先物取引を業とする企業のサイトですが、その成立から賑わいの姿まで楽しく学べます。
http://www.unicom.co.jp/sp/mizuho.html

face book ページ オフィス マイ エフ・ピーを開設しました。
http://www.facebook.com/#!/officemyfp

☆セミナーやご相談は根拠の明示及び実証データをもとにご説明します。
お気軽にお問い合わせください。

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文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー 
吉 野 充 巨
独立系顧問料制アドバイザーの紹介
http://profile.ne.jp/w/c-64005/
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