- 寺崎 芳紀
- 株式会社アースソリューション 代表取締役
- 東京都
- 経営コンサルタント
-
03-5858-9916
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
コラムを書くのは久しぶりです。
今回は、「福祉とビジネス」の、考え方のバランスについて、書かせていただきたく思います。
介護保険制度が施行されて、今年で13年目となりました。制度としては課題もありますが、超高齢社会が到来して久しい中、日本は世界のどこよりも、「介護」というものに真剣に向き合っている国であるといっても、過言ではありません。
介護保険制度の根本原理は、「自立支援」と「自己責任」です。
ここでは、「自立支援」については取り上げません。「自己責任」の部分に着目します。
利用者は、サービスを自由に選べる代わりに、自己負担が課されます。1割負担ではありますが、金額の大小の問題ではありません。それ以前に、40歳以上の国民には、否応なしに介護保険料の負担が課されます。私も支払っております。
要は、「権利」と「義務」の両方が課せられるわけです。
では、もともと「福祉」の考え方って、何でしょうか?
私は、義務よりも、権利の方に重点が置かれているような気がするのです。
まだ諸法令等が十分に整備されていないころ、人々の権利は上流階級等によって抑圧されていました。いま思えば、まるで人間扱いされていないのではないかと言える程、ひどい扱いを受けていた人もいます。彼らは、そんな不条理な世の中を変えようと、立ち上がり、時には血を流して権利を勝ち取ったわけであります。
我々は、そういう先達の不断の努力があったからこそ、今を生きていられるのだということを、決して忘れてはいけません。
福祉の勉強をするのに、最初に学ぶことは、「歴史的変遷」です。それなくしては語れないからです。その次に学ぶことは「福祉の理念」ではないでしょうか。
私の理解が間違っていなければ、福祉の理念の中には「慈悲」とか「相手を思いやる気持ち」「利益を求めない考え方」等を謳われていると思います。
もちろん、その考え方が大事ですし、「優しい気持ち」が持てない方に、福祉の仕事をする資格はないと思うほどです。
しかし、ここでいつも考えることが、そのバランスなのです。
私は、福祉系の大学を出られた方ほど、福祉についての勉強をしてきたわけではありません。全くの異業種出身で、もともとは金融マンでした。勤めていた信用組合が破たんし、その次に転じたのはスポーツ用品の営業マンでした。
少なくとも20代までは、自分がまさか福祉業界に身を寄せようだなんて、夢にも思いませんでした。
初めて福祉の業界を垣間見たのが、30代に突入した時です。
仕事で、老人ホームに訪問した時のこと。そこでは、介護を必要とされているお客様に、一所懸命頑張っていらっしゃるスタッフの姿がありました。その姿を見て、私は感動し、涙がこみ上げてきました。
「この仕事は、尊くて素晴らしい仕事だ!」。素直にそう思えました。
しかし、ここでも感じたことが、「福祉とビジネスの考え方のバランス」でした。
続きは次回に持ち越します。
このコラムの執筆専門家
- 寺崎 芳紀
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- 株式会社アースソリューション 代表取締役
介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします
有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。
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