- 村岡 由紀子
- 襖design 代表 襖コーディネーター
- 神奈川県
- インテリアコーディネーター
虫の音に耳を傾ける季節になりました。
厳しい残暑が続きますが、これから少しずつ秋が深まりますね。
十分な睡眠と滋味のある美味しいものをたくさん食べて、どうぞ夏に疲れた体をいたわってあげて下さい。
●〈秋草文様〉のふすま紙
今回は、〈秋草文様〉のふすま紙についてのお話です。
秋の野山に咲く草花をモチーフにした秋草文様は、繊細で、はかな気で、その侘びた雰囲気を私達日本人は好んできました。
ずっと昔から・・・万葉の頃(奈良時代)から現代まで、〈秋草模様〉は愛され続けています。
歌に詠まれ、漆器や陶器、家具調度品、着物や帯、美術品のデザインとしても多く使われてきました。
秋草文様は、秋の七草が中心で、
萩(はぎ)、薄(すすき)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)を図案にしたものです。
ふすまの模様としても、種類は多く、流行もなくずっと親しまれています。
個性の強い文様ではありませんが、和の風情を感じさせてくれる優しい柄は,何かほっとする癒しを感じます。
古典の文様は、上品で、日々馴染み、さらに愛着がわきます。
〈秋草文様〉のふすま紙は、現代の住空間で、さらにモダンにセンスティブに表現される絵柄ではないかと思います。
気に入ったものを長く大切に愛しんで使う、日本人の心を古典文様に重ねて、ふすまの柄選びも楽しんでいただけたらと思います。
※上・光沢のある絵具で秋草を描いた裾模様のふすま紙
※下・若竹色の和紙に秋草をあしらった総模様のふすま紙
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