- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今回は、床暖房の危険性から、床暖房の種類別の善し悪しを見てみましょう。
ボイラー式の温水式床暖房でも、ボイラー自体は室外での燃焼なので、室内の空気を汚さず、換気の必要がない、と言うのが床暖房の最大の魅力で、快適なだけでなく、安全な暖房と言えます。
そして、以前のコラムでご紹介した通り、床暖房は、床自体が火で熱くなる訳ではないので、安全性という面で問題になるのは、「低温火傷」です。
低温火傷とは、42〜44℃程度の熱に長時間当たると起こる火傷です。
床暖房は床面の温度が30度前後なので、安全そうですが、ホットカーペットと同様、布団を掛けて寝るなど、長時間同じ場所にいると危険です。
ただし、同じ場所にずっと居ても、要はその場所が40℃以下の低温なら良いわけです。
その点では、温水式の方が安全と言えます。
理由は、温水の場合、循環していると、温度の低いところで、「お湯→床」という様に熱が伝わります。
ですから、床が暖まってくると、より床の温度の低い部分、つまりまだ暖まっていない部分で放熱するわけです。
人や布団でその場所が暖まると、その部分より冷たい、何もない部分で放熱が起こるので、電気式のように、温度が上昇を続ける、と言うことが起こりにくい、と言う仕組みです。
もちろん、電気式の床暖にも、温度センサーが付いています。
ただ、温度センサーも、装置に付いている場所はとびとびですから、頼りすぎは危険と言うことですね。
では、次回は、メンテナンスから床暖房を考えてみましょう。