- 杉田 昌穂
- 青穂塾 塾長
- 大阪府
- 塾講師
対象:子供の教育・受験
「ごぎょう」は「おぎょう(御形)」が変化してできた言葉だそうです。現在の名前は「ハハコグサ」
有岡利幸著「春の七草」(法政大学出版局)によりますと、ハハコグサはヨーロッパ原産で、有史以前に中国経由でに日本に入ってきたようです。この植物は色が白っぽいので、昔は高価だった紙に代わって人形(ひとがた)を作り、母と子の身代わりとして、けがれを払い、川に流されたと考えられています。だから「おぎょう(御形)」であり、「ははこぐさ(母子草)」なのです。(これは私の推測ですが、父は高価な紙を使うのだと思います。)
ハハコグサは三月三日のひな祭りの草餅に入れるものだったそうです。確かにかじってみるとヨモギと同じ味がします。しかしいつの頃からか草餅にはヨモギを入れるのが普通になってしまいました。ヨモギの方が簡単に発見できますし、香りが強いからだという説があります。実際に幼児教室でハハコグサを使って草団子を作ってみましたが、よもぎ餅のような香りはあまりありませんでした。
ハハコグサは春の七草の中で一番見つけにくい植物です。自然の中で生えているものでは、私が知っているのは、大阪府枚方市に一ヶ所、京都府相楽郡に一ヶ所、奈良市に一ヶ所だけです。三ヶ所とも、他の植物に囲まれて細々と生えています。それは、田んぼの畦であったり、ビルと道路に挟まれた狭い空き地だったりします。
ところが、数株植木鉢に移植して育ててみますと、他の植木鉢にどんどん広がっていきます。タンポポのように綿毛を飛ばしますので、あっという間に自宅のベランダで広がってしまいました。
なぜ自然の中で発見できないのでしょうか。おそらくヨモギのように集団で生えるのではなく、タンポポのように分散して生えるからだと思います。しかもタンポポならば黄色い花が自然の中でよく目立ちますし、葉も放射状に広がりますので発見しやすいのです。ところがこの植物は花が地味ですし、どちらかというと縦長です。その割に背が高いわけでもありません。だから目立ちにくいのだと思います。写真のハハコグサは植木鉢で育てていますから密生していますが、自然ではこれほど密生しているのを私は見たことがありません。
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