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外国人雇用の現状と課題について

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外国人雇用の増加

 近年、製造業、小売、飲食店、建設現場等、様々な職場で、外国人労働者を目にする機会が増えています。

 日本における外国人登録者数は、平成22年末現在で213万4,151人となっており、10年前(平成12年末)と比較すると約1.3倍となっています。

 外国人登録者数が日本の総人口に占める割合は1.67%であり、今後、増加する傾向にあります。

 また、外国人登録者のうち、就労を目的とする在留資格による外国人登録者数も、景気の変動、規制内容の変更等により、短期的に減少することはありますが、平成22年末現在で20万7,227人となっており、長期的に見ると増加する傾向にあります。

労働力不足への対応

 このように外国人雇用が増加する背景の一つには、製造業等の中小企業における労働力不足を外国人労働者が補っているものと考えられます。

 日本企業がアジア諸国との厳しい競争を強いられている現状で、製造業を中心に、市場の変動に柔軟に対応できる労働力への要請が高まっており、製造業等での日本人若年労働者の確保が困難な中、厳しい職場環境を厭わず熱心に働く外国人労働者への期待が寄せられています。

 特に、今後、少子高齢化を迎え、労働力人口の減少が予測されますので、外国人労働者が、日本企業における新たな労働力として、活躍していくものと思われます。

国際化への対応

 また、日本企業が国際化し、競争力を維持するために積極的な海外展開を行うようになったことも、外国人雇用が増加する背景と考えられます。

 近年、大企業のみならず、中小企業も、国内市場より更に大きな市場を求めて、成長余地の大きい海外市場、特に、中国、インド、ASEANといった新興国市場をターゲットに事業展開をしています。

 このようにグローバルな展開をしている企業にとって、外国人の持っている知識や能力を活用することは、人材活用の観点からも必須であり、高度な能力を有する外国人の登用が期待されています。

外国人雇用の課題

 外国人雇用に対する期待が高まる一方で、取り組んでいかなければならない課題もあります。

 まず、依然として、日本国内に不法就労者が相当数存在するということです。不法就労者が、風俗、治安等、様々な問題を引き起こすケースもあり、外国人犯罪の温床になるとも言われています。また、このような外国人が、劣悪な環境下での労働を強いられるなどの被害に遭うケースも多く、外国人保護の観点からも問題となっています。

 法律上、企業は、外国人を雇用するに際して、不法就労にならないよう、在留カードを確認して、就労できるかどうかの判別を行わなければなりません。確認を怠ると処罰される可能性がありますので注意が必要です。

 その他、外国人雇用は、企業の側に異文化に対する理解が求められ、日本人労働者とは異なった特別の配慮を要する場合があります。外国人労働者との間で、十分な意思疎通をしていなかったため、雇用後に労働条件等でトラブルになるケースも見受けられます。

 したがって、外国人労働者を受け入れる社内体制をどのように整備し、外国人雇用をいかに有効に活用するかが、日本企業の今後の課題と言えます。

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弁護士法人アルテ代表弁護士。東京大学法学部卒。企業法務に従事し、労働問題(会社側)に精通。著書「外国人雇用の実務」(同文舘出版)。ラジオ番組出演(FMあまがさき「中西優一郎のLaw and Order」)。商工会議所、大学、企業での講演・セミナー多数。

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