上棟式の祝儀を誰にどの程度渡せばよいのか皆さん苦労されている様です。一生のうちに何度もすることではありませんし、知り合いに経験した人も少ないはずです。
建築の神事は一般的に二回あります。一つは地鎮祭。もう一つが上棟式です。
地鎮祭の方は、純粋に神事としての意味合いが強く、神社が主導で厳かに行われます。工務店が用意するのは敷地の四方に建てる笹4本、しめ縄、砂バケツ一杯程度で祭壇や供物は神社が用意します。
建築主はその土地の氏神である神社に地鎮祭の予定を伝え、時間の都合を打ち合わせします。神社に渡す費用は、供物料も含め5万円前後が多い様です。
上棟式は、神事と云うより現場慰労の意味合いが強くなります。
工務店さんは棟上げが完了すると棟束に御幣を取り付けます。
%%画像1%%
その御幣に向かって、二礼二拍手一拝して建物の四方に、酒、米、塩、小豆を撒いて完了します。
その後は直会(なおらい)と云って慰労会が始まります。昔は手料理が並んで、半日掛けて宴会をしましたが、最近は滅多に手料理が並ぶことはありません。最も多いのはケータリングサービスの寿司の盛り合わせと、ノンアルコルビールでの宴会です。酒は飲みませんが、つまみ程度のお菓子も出されます。この慰労費用が建築主負担になります。総額て2~3万円程度です。またこれと別に手土産を用意する人もおられます。手土産は二合瓶の日本酒と赤飯が相場です。
簡易的に、直会の席に二合瓶と寿司折りを並べ、おつまみとノンアルコールビールで歓談し、二合瓶と折り詰めは持って帰って貰う方法もあります。
さて祝儀ですが、法事のお布施と同じで相場がありません。工務店に聞かれても「お気持ちだけで・・・」と云われます。これでは埒が開きませんので、平均相場を書きます。担当する大工さん、工務店の社長、設計監理担当者に各1万円。当日応援に上棟作業に参加した職人さん5~8名に5千円程度が相場です。
地鎮祭と上棟式合わせ、20万円ほどの出費になります。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
「●Coffee Break」のコラム
大阪市立住まい情報センターで住まい相談会を開催します。(2018/05/18 14:05)
ゴム手袋で握る寿司(2017/01/19 10:01)
今年はマイホームをと思う方はお読みください(2017/01/01 16:01)
原発再稼働で注目されている重力加速度(gal)(2014/03/19 08:03)
建築は技術と文化の両方の性格があります。(2014/02/04 08:02)
このコラムに類似したコラム
はじめてのマイホーム 岩間 隆司 - 建築家(2013/04/10 08:54)
家づくりのパートナーの探し方 青沼 理 - 建築家(2013/04/02 10:26)
地鎮祭の作法 福味 健治 - 建築家(2012/06/28 08:29)
■みらいのいえ・・・雑誌「住む」取材1 /湯河原編 遠野 未来 - 建築家(2012/01/13 23:23)
「駒込の家」建て主さまから寄せられた声 奥山 裕生 - 建築家(2011/03/02 21:00)