保険料(掛金)も格安で、一億円補償に対して、掛金が年間数千円程度です。
この保険は入っておいて損はない、いい保険だと思われますが、格安の保険には、それなりに
ワケがあるのです。
その点を少し突っ込んでみますと、次の2点を認識しなければなりません。
1.保険金支払対象は、加害者(契約者)が「法的な賠償責任が生じた場合」であること
2.保険金が支払われる先は、被害者ではなく、加害者(契約者)であること
1は、謝罪したい場合に、何でも保険金支払事由にはならないということに注意すべきです。
2は、保険金請求手続の中に、被害者との示談が前提であり、加害者が被害者に先に支払い、
その分を保険会社が補う性質のものであることに注意すべきです。
2のケースで、被害者が法外な請求をするケースにおいて、加害者がそれを呑んでも、
保険会社がそれを認めないというケースを想定してみましょう。
実際は、被害額調査において、鑑定を入れたりしながら、妥当性のある金額を算出して折り合いを
つけるという手順になります。
この手順を間違うと保険金と示談金の差額を加害者自らが負担することになってしまいます。
そして、特筆すべきは、この示談に保険会社が立ち会わないというのが一般的であるという点です。
(最近は、示談代行付という商品が出てきてますが・・)
そうなると、「事故報告から、スムーズに保険金が支払われて、スッキリ」とはなかなかならない
ことが想像できると思います。パンフレットからは、おおよそ想像もできないことですよね。
保険会社が示談代行して、被害者への直接支払ができるという「完全商品」は自動車保険だけ
というイメージを持っておいた方が無難かも知れませんね。