"love"　は脳の勘違い？

"love"　とは？　大きな謎ですね。
All About のコラム、Q&Aにも 恋愛 に関しての悩みが多く登場していることからも、私たちの心理状態に大きな影響を与えているのが "love" 　のようです。　"love" で有頂天になったり、奈落の底に落ち込んだり。

多くの専門家が様々なな解釈をしている "love" 。
こんな解釈も存在します。

"love" は脳の勘違い。
日常と異なる事態に動揺し、異常な覚せい状態にある脳が、その状態を "love" による興奮だと勘違いしただけである。

University of British Columbia が行った有名な心理学研究が証明した説です。
脳の覚せい作用を人工的に作り出し、その状態にある人が "love"を感じるかどうかを実験しました。
(Stanley, S. & Singer, J)

バンクーバーの北部にCapilano Bridge という高い谷にかかるつり橋があります。
歩くとゆらゆら。　ず～っと下の谷底も足元から見えます。　結構スリルのあるつり橋です。

実験に参加したハイカー達、2組に分かれました。
ひと組はその高いつり橋を渡ります。
もうひと組は、その下の方にある安定した低い橋を渡ります。

ふた組共、橋を渡り終わったところで魅力的な美人に遭遇します　（その美人は実は研究者のひとりです。）

後で、ハイカーたちは、「その美人がどのくらい魅力的だった」かの質問に答えました。
怖い橋を渡ったハイカーたちの方がはるかに「魅力度」を高く評価しました。

次の実験では、同じように2種類の橋を渡ったハイカーたちは、その美人の電話番号を渡されました。
あとで実際に電話した数は、怖い橋を渡ったハイカーたちの方がはるかに多かったそうです。

恐怖により、興奮し(aroused)、覚せいした状況で、異性に出会った脳は、その興奮(arousal)を "love" と勘違いしたようです。
もし、橋のたもとにその美人がいなかったら、ハイカーたちは脳の興奮状態を、単なる「恐怖心」だと解釈したと、研究者は結論づけています。

現在 "love"　真っ最中の方。
その恋愛の相手とは、日常と異なる状況で出会いましたか？　また、いつも出会う人（会社とか学校とか）でも、特に日常と異なる状況が起こったときに、「素敵！」と感じませんでしたか？

「脳の勘違い」かも。

最初は熱烈な、ロマンチックな恋愛関係だったのに、そのうちに冷めて情熱を感じなくなった・・・という悩みも、この「脳の勘違い」から説明出来るかも知れませんね。

そして、その冷めた関係をもとの熱烈な関係に戻すには？
日常と異なり、興奮する状況を（恐怖でも）作りだすと、また「勘違い」を起こすかも、です。