皆さんこんにちは。
早いもので、今年ももう1か月が経過しました。
このままですと、あっという間にすぐに1年が経過してしまいそうです。
今年の冒頭のコラムにも書きましたが、2月になりますと、本格的に「確定申告」の時期を迎えます。
確定申告は、前年の1月1日から12月31日までの所得を、毎年この時期に申告しますが、1年の途中で亡くなった方の場合、その所得はどのように申告するのでしょう?
今日はこの話題でコラムを書いてみたいと思います。
当然、亡くなった方自身は税金の申告をすることが出来ません。亡くなった方の相続人が、亡くなった方に代わって申告を行うことになります。この申告の事を「準確定申告」といいます。
亡くなった方にまつわる税金の申告のうち、似たような手続きに「相続税の申告」があります。
この相続税申告は亡くなってから10か月以内(正確には相続開始を知った日の翌日から10か月以内)に行わなければなりませんが、この「準確定申告」は亡くなってから4か月以内(やはり正確には相続開始を知った日の翌日から4か月以内)に申告を行わなければなりません。
先ほど「相続人」が行う…と書きましたが、相続人が複数人いた場合、具体的にはだれが行うのでしょうか?
原則的には、各相続人が1枚の申告書に連署の上、申告を行うことになります。
しかし、他の相続人の氏名を付記して別々に申告を行うこともできます。(但し、申告内容を他の相続人に通知しなければなりません)
当然、所得は1月1日から亡くなった日までの所得を申告するわけですが、「医療費控除」や「各種保険料控除」(社会保険料、生命保険料、地震保険料)は相続開始日までに支払った金額に限ります。
また、「扶養控除」・「配偶者控除」は相続開始日の現況により適用できるかどうかを判定します。
個人事業者の方は消費税の申告義務も必要な場合があります。
ではどこに提出するのでしょうか?
相続人が住んでいる場所を管轄する税務署でしょうか?
いいえ、これは被相続人の納税地(一般には住所地が多いと思います)を管轄する税務署(税務署長)へ提出することになります。
提出期限の話に戻りますと、もし、1月1日~3月15日までの間に前年分の所得税の申告をしないで亡くなった場合には、相続人は、亡くなった方の亡くなった年の所得に合わせ、亡くなった年の前年分の所得も申告しなればなりません。
この前年分の申告期限も原則の3月15日ではなく、前述しましたように亡くなった日から4ヶ月以内(相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内)となります。
ざっと書いてきましたが、人が亡くなりますと、遺された方には弔いのほか、財産の洗い出し(相続放棄等を含む)作業、遺産分割作業、さらに「相続税の申告」を控えている方には、相続税の計算、納税資金の算段といった作業も行う必要があります。
相続税は、事前にきちんと対策がなされていれば、まだ多少の時間的余裕がありますが、所得税に関しては申告期限まで4ヶ月しかないため、より大変な作業となりがちです。
遺された方がスムーズに所得税の計算作業に入れるよう、毎年の確定申告作業を行うこの時期に、きちんと資料の整理を進めておくことも大切な生前の相続対策のひとつと言えるでしょう。
このコラムの執筆専門家
- 高原 誠
- (東京都 / 税理士)
- フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定 税理士
不動産鑑定士と協働。不動産に強い相続専門の税理士です。
フジ相続税理士法人は、名前の通り「相続」に特化した専門事務所です。税理士だけでなく、不動産鑑定士・司法書士による相続・不動産問題の独立系コンサルティンググループですので、相続・不動産全般のお悩みに対応しています。どうぞお気軽にご相談下さい。
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