- 遠野 未来
- 遠野未来建築事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
●はじめまして。東京を拠点に全国で「現代の土の家」をめざし、活動している遠野未来と申します。
このコラムで、現代における土の家について、その性能やデザインを少しづつ紹介していきます。
土壁の家は古い?・・・いやそうではありません。残念ながら日本のメディアではほとんど取り上げられていないのですが、海外ではとてもスタイリッシュな土の家がたくさんつくられ、土は現代における最も注目されている素材です。日本でもやっと現代の視点で再注目され始めています。
これからみなさんと一緒に、「健康・省エネ・デザイン」 3拍子そろった日本における土の家をめざして行きたいと思っています・・・
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まず、土の断熱性について
土壁の熱伝導率は0.62~0.69 (W/m・k)でグラスウール10Kの0.05と比較して断熱性能は10倍以下。
(世界的には不十分なものの)現在の日本での断熱基準となる次世代省エネ基準での東京での値はグラスウール10Kが100mm(10cm). これと同じ断熱効果を土壁でとるとすると熱伝導率0.69で計算すると0.69/0.05x100mm=1380mm
つまり1.38Mもの壁が必要となる。
(熱伝導率・・・熱伝導率とは物質内の熱移動のおこりやすさを表す係数。
熱伝導率が低いほど断熱性能が高い。)
つまり、断熱だけ見ると残念ながら土壁は断熱材とはいえない。
では、なぜ土壁の家は「夏涼しく、冬暖かい」といわれるかというと土壁は熱容量が大きいからである。
土の熱容量は約1600KJ/㎥℃であるのに対し、断熱材は20程度でしかなく、その差が約80倍。 たとえば「暖房を切ってから明け方までどの程度室温が低下するか」、で部屋の暖かさを判断する場合は土壁の蓄熱性が大きな効果を果たす。・・・
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これから、少しづつ土の紹介をしていきますので、どうぞよろしくお願いします。
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