＠NEXT SenSEマガジン[vol.21]より（バックナンバー）1/2

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1．今月のテーマ：がん保険の選び方
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【がんにかかるリスク】

「現在、男性は2人に1人が、がんにかかると言われており、また死亡原因
のトップもがんです。」

そのように聞くと、がん保険の必要性は十分あるように思われますが、実
際に統計の内訳を見てみますと以下のようなことがわかります。

・60歳までのがんの罹患（りかん）率は男性7.3％、女性9.5％
・70歳以降は男性35％。女性25.2％
・30歳から60歳までのがんでの「死亡」率は2％

となり、がんにかかる、もしくは死亡するリスクは60歳以降に急激に増える
ことになります。
逆を言えば、60歳未満で、がんにかかる、もしくはがんで死亡するリスクは
そこまで大きくないことになります。

【がんの入院日数と保険】
しかし、万一若くしてがんにかかった場合どうなるかというと、まず気にな
るのは入院することで仕事ができなくなることと治療費です。
がんにかかったときの平均入院日数は約40日と言われていますが、そのうち
の78％が約30日、さらに60％が約14日となっており、意外にも入院は短期で
あることがわかります。
また、治療費に関しても、通常の手術と治療であれば、健康保険と高額療養
費制度、傷病手当の申請である程度の保障が受けられます。

【高額療養費制度と傷病手当】
高額療養費制度とは、同月内、同一医療機関であれば、医療費負担に上限を
設ける制度で、制度の仕組みは以下のようになっています。

※70歳未満
・標準報酬月額が53万円以上：(10割相当医療費－500,000円)×1%＋150,000円
・標準報酬月額が53万円未満：(10割相当医療費－267,000円)×1%＋80,100円
・市区町村民税の非課税者等：35,400円

また、傷病手当に関しては、連続して3日以上休業した場合には4日目以降に
標準報酬日額の2/3が傷病手当金として受給できます。

実は、近年がん保険の必要性が疑問視される風潮にあります。
理由としては、医療技術の進歩もあり、先述のように入院日数も短くなってき
ているため、入院を主な要件とするがん保険の場合、十分な保障が得られない
ケースがあります。

では、本当にがん保険は無用の長物なのでしょうか？

【先進医療費】
万一がんにかかり、それを完全に克服するためには、先進医療の導入が不可欠
です。
平成18年の健康保険法の改正によって、厚生労働大臣承認の先進医療の選択肢
が大幅に増えました。
しかし、先進医療の治療効果は高いものの、技術料は非常に高額で、なおかつ
健康保険や高額療養費制度の対象外となり、全額自己負担になります。
がんの部位にもよりますが、一例としては

・腹腔鏡下肝部分切除術・・・約25万円
・活性化自己リンパ球移入療法・・・約60万円
・固形がんに対する重粒子線治療・・・約300万円　　となっています。

【がん保険の選び方】
以上のことを踏まえると、がん保険は、リスクが跳ね上がる60歳以降や、
高額な先進医療への備えとしての役割が非常に大きくなる商品です。
そういった役割を十分活用するためには、先進医療への対応の有無、60歳以
降の保障形態、がん診断時の一時金の額などに注意して保険選びをしていき
ましょう。

財団法人がん研究振興財団-がんの統計
http://www.fpcr.or.jp/publication/statistics.html

社会保険庁：保険給付（被保険者に関する給付-高額療養費）
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/kyufu/kyufu06.htm

社会保険庁：保険給付（被保険者に関する給付-傷病手当金）
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/kyufu/kyufu07.htm

厚生労働省：先進医療の概要について
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

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